いやあすごいと思った浮上式防波堤、やっぱり自然の脅威の前にはシュミレーションの段階で
アウトの様ですね。 だいたいね巨大な自然災害に逆らおうと言うのが人間の思い上がりです。
地震だって耐震設計も精々1000ガルまで、これを越える地震動が柏崎で観測されていますし
過去の地震では立木が土中の幹から折損して弾丸のように空中を飛んだ記録もありますから、
そのような地震が起きれば当然建物も基礎から折損して空中に飛翔したり、人間が建物の中で
天上と床でピンポンの球状態になってお陀仏です。
また集中豪雨も時間200ミリなどという雨だと全ての対策は不可能です。勿論火山噴火も
巨大噴火では人類に為す術はあり得ません。火山灰や火山弾に大量の軽石などの降り注ぐ中
漆黒の闇になった一帯で為す術無く火山性ガスも巨大火山弾の被弾を免れるよう祈願するのみです。
まして、想定される東海東南海南海トラフの連動による人類史上最大規模の巨大地震では
最大遡上高50メールが想定されどんな津浪対策も不可能、津浪到来までの約1時間程にひた
すら高台に逃げる術を模索する以外生き残りの可能性は無いのです。
下はこざかしく巨大公共事業に群がるハイエナの様な企業群とおこぼれ欲しさの学者や天下り
先の新規開拓に欲目の眩んだ官僚たちと結託して莫大な血税を食い物にせんがために
暗躍していた企てが頓挫仕掛けていることを報じるネットニュースです。
世界初の浮上式防波堤、引っ掛かって浮上せず?
国土交通省近畿地方整備局が和歌山下津港海岸の海南地区で建設を計画している世界初の直立浮上式防波堤が、南海トラフ巨大地震の発生時に機能しない恐れがあることが分かった。6月19日の和歌山県議会の答弁で明らかになった。
延長約230mの直立浮上式防波堤は、海底の土中に埋設した円筒状の下部鋼管(直径3m、長さ約29m)の内部に、上部鋼管(直径2.8m、長さ約28m)を格納する構造。津波が来襲する前に、上部鋼管に空気を送り込んで浮上させる。防波堤となる上部鋼管の天端(てんば)高は海面から7.5mだ。
03年に内閣府が発表した被害想定に基づき、発生頻度が高い「レベル1津波」を防ぐように設計した。ところが、12年8月に南海トラフ巨大地震の被害想定が新たに示された。新たな想定では、海南市の地震動は震度6弱から震度7に、最大津波高は6.7mから8mに引き上げられた。
国交省が設置した技術検討委員会で、新たな想定に従って鋼管の挙動を解析したところ、海底の地盤に打ち込んだ下部鋼管が地震で変形し、上部鋼管が引っ掛かって浮上しない恐れがあると分かった。また、津波高が大きくなった分だけ上部鋼管に掛かる外力が大きくなるので、上部鋼管と下部鋼管の接触箇所が損傷する可能性も出てきた。
周辺地盤の改良と鋼管の補強で対応
技術検討委員会では、下部鋼管の変形防止策として周辺地盤を改良し、外力に抵抗するために上部鋼管と下部鋼管の接触箇所を補強する必要があると指摘。国交省は、委員会が示した案を踏まえて対応を検討中だ。「できるだけ早く方針を決めたい」(国交省近畿地方整備局)。 国交省はこれまで、2019年度までに約250億円を投じて直立浮上式防波堤の建設や護岸の改良、水門の設置による津波対策を進める計画の下、工事に取り組んできた。設計の見直しに伴い、事業費や工期が見直される可能性が出てきた。
事業費の3分の1を負担する和歌山県に対して、沿岸部に立地する民間企業は協力金を提供している。県は「整備方針が変わり、さらなる費用負担が必要となる場合は、関係者と協議していきたい」とする。
直立浮上式防波堤は、大林組と東亜建設工業、三菱重工鉄構エンジニアリング、新日鉄住金エンジニアリング、港湾空港技術研究所の5者が開発した。防波堤となる鋼管が通常時は海底に沈んでおり、航路として使用できるメリットがある。
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