すごいものが出来ているのですね。 これを少し拡大して家庭用、町内用にすればもはや
原発も電力会社も不要ですね。もちろん配電も税金もそれに地球温暖化だ寒冷化だという
心配も霧散です。
発電もできる噂のアウトドアストーブ『BioLite CampStove』がモンベルから登場!
2012年8月18日 2時0分

数ヵ月前からネットを賑わせていたあの『BioLite CampStove』が大手アウトドアメーカー、モンベルから発売されることが決まった。そもそも、このストーブはアメリカBioLite社が開発した小型ストーブである。アウトドア用としてはもちろん、電気やガスが来ていない地域での家庭用コンロとしての役割を果たすために作られた。その際に問題になるのが燃焼効率と煙だ。燃焼効率が悪ければ調理に時間がかかるし燃料を無駄に消費する。さらに不完全燃焼となれば大量の煙が出る。この問題を解決するために『ウッドガスキャンプストーブ』や『シェラストーブ』と呼ばれる乾電池で電動ファンを回して強制的に燃焼効率を高めるストーブが存在した。しかし、問題は電源である。乾電池がなければファンを回せない。これを解決するために生まれたのが『BioLite CampStove』。ファンを回すために自ら発電して、さらに余剰な電力を充電してUSB経由で他の機器を充電までできるというストーブなのだ。
◎モンベル『BioLite CampStove』

充電はあくまでもオマケ的な機能で、自らファンを回転させ、どこでも手軽に焚き火が出来ることが主眼である。なぜ火を燃やすと発電できるのか? その秘密はペルチェ素子にある。この素子は電流を流すと冷たくなるのでノートPCのCPU冷却などに使われている。この素子は冷却や発熱ができるだけでなく、逆に素子自体に温度差を与えてやると電流が流れる、つまり発電できるのだ。これをゼーベック効果と呼んでいる。ペルチェ素子はP型半導体とN型半導体を銅板で接合したもの集合体をセラミック基盤でサンドイッチした構造をしている。さて銅板の片側を高温にするとどのような電子の移動が起こるだろうか。まずN型半導体に(このあと13行省略)… という訳で電子が移動することにより、その逆向きに電流が流れるのである。

モンベルがデモンストレーションを行うというので、速攻で申し込んだ。当日は発電には絶好の曇り空。実は太陽がギラギラするような炎天下よりも曇っていた方が『BioLite CampStove』の充電効率は高い。ソフトケースからキャンプストーブを取り出すとこのように燃焼室の中にパワーモジュールが収まっている。コンパクトに収納されているのだが、プローブと呼ばれる熱伝導体がはみ出ている。通常の使用では折れる心配はないが、カッコ悪いことはなはだしい。

手前のオレンジ色の部品がパワーモジュール。発電装置と充電池とシロッコファンとモーターが収められている。

組み立ては穴にプローブを入れて同時に脚にフックをひっかける。これで脚を開けば準備完了だ。

燃やし始めは多少、煙が出る。着火剤を使うのがベストだが、普通の紙を固く巻いてもいい。燃やし始めて少し経ったらメインスイッチを入れてLOで運転するとファンが回り出す。これで煙が出なくなるはずだ。

もう一度、ボタンを押してHIに切り替えるとファンの回転数が上がり、炎が竜巻のように渦を巻きながら上がってきた。これでもう発電が始まっている。
着火からLO運転、HI運転までを動画にしてみたので、実際どのぐらい時間がかかるかチェックしてみよう。

炎が安定したら、USBケーブルを使って『iPhone』などを接続すれば充電が開始される。ケーブルは付属していない。ケーブルによっては充電できないタイプもあるため充電できない場合は本体の故障ではなく接続ケーブルを疑る必要がある。HIでファンが回れば、火が消える心配はない。燃料になる小枝などがあれば、充電しつつお湯を沸かしたり、調理したり、暖を取ったりできるのだ。電力供給能力は最大2W、USB出力は5Vまでとなる。ファンは一度回り出すと発電装置をオーバーヒートさせないため温度が下がるまで自動的に回り続けOFFにはできない。『BioLite CampStove』の価格は1万6300円で来春発売予定だ。アウトドア用はもちろん、防災用としても注目を浴びているストーブが国内で販売されることになったのは嬉しい限りである。

ライター/ゴン川野
カメラ生活42年、小学生でオリンパスPEN-Fを愛用、中学生で押し入れ暗室にこもり、高校では写真部部長。大学卒業後、単身カナダに渡りアウトドアスクール卒業後「BE-PAL」を経て本誌ライターに。保有交換レンズ41本、カメラ28台(見える範囲で)。阿佐ヶ谷レンズ研究所分室もよろしく。