お天気なんてねえ、予報が外れるのが当たり前ですけれど、こんな正反対の外れ方も
そうそう起きないでしょうね。 地球温暖化で猛暑だというのがやっぱり地球は寒冷化し
ていて今年は記録的冷夏に成りそうだという、太陽活動が低迷しているのですから極
当たり前の結果を報じるあまたのネットニュースは以下です。
東京は9月下旬の気温 夏は終わるのか?

冷たく湿った風が吹き込んだ東京と仙台はくもりや雨で、気温も低い(8月11日正午)
11日(山の日)、東京の最高気温は24.8度と9月下旬の気温となった。今後も冷湿なオホーツク海高気圧の影響で、くもりや雨の日が多い予想だ。
東京 正反対の夏
8月11日は山の日。今年はちょっと様子が違います。東京の正午の気温は23.7度、弱い雨が降ったりやんだりのあいにくの空もよう。まるで夏が終わってしまったような天気です。
原因と今後を考える前に、これまでの天気を振り返ってみましょう。
こちらのグラフは東京の最高気温と天気をみたものです。東京は7月19日に梅雨明け発表がありました。例年ならば、梅雨明け後に本格的な夏がやってきます。

でも、今年はどうでしょう。梅雨明けする前が夏らしい天気で、梅雨明け後は気温が乱高下、雨の日も多くなりました。いつもの年と正反対の天気になっています。
その要因として挙げられるのが太平洋高気圧とオホーツク海高気圧、2つの高気圧です。梅雨明け前は太平洋高気圧が強く、梅雨明け後はオホーツク海高気圧が勢力を強めました。同じ高気圧でも、これほどまでに天気が違うとは。天気の奥深さを感じます。
猛暑日がない!
梅雨明け後、天気が振るわないといっても、9日は東京でこの夏最高の37.1度を記録しました。十分過ぎるほどの厳しい暑さになったわけですが、全国で唯一、35度以上の猛暑日がない県があります。さて、それはどこでしょう?

答えは宮城県です。宮城県は梅雨明け前も、梅雨明け後も、雨の日が多い。さらに、今月はオホーツク海高気圧の影響を強く受けて、気温の低い日が目立ちます。
ただ、オホーツク海高気圧の影響を受けやすいのは関東と北日本太平洋側で、西日本では影響がほとんどありません。山口県山口市ではこの夏全国最高の11日連続の猛暑日を記録しています。
今後、残暑はどうなるのでしょう?

気象庁は10日、北・東日本太平洋側の日照不足と低温に関する気象情報を発表しました。
今後10日程度は晴れの日が少なく、気温の低い日が目立つ見通しです。12日の予想天気図を見ても、日本付近は低気圧ばかり。オホーツク海高気圧から冷たく湿った風が吹き込む予想です。
これからは夏から秋へと天気が移り変わる時期です。太平洋高気圧が再び、勢力を強めれば、残暑がやってくるでしょう。オホーツク海高気圧もいつまでも強いわけではない。今の状況がいつまで続くのか、変化のタイミングを注意深く見ていきたいと思っています。
【参考資料】
気象庁:北・東日本太平洋側の日照不足と低温に関する全般気象情報 第1号,平成29年8月10日15時00分発
民放キー局で、異常気象の解説から、天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書きためた天気ノートは100冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。
東京の8月は「1993年大冷夏」以来の真夏日の少なさに?

雨ばかりで、真夏日の少ない不順な8月が続く(ペイレスイメージズ/アフロ)
真夏日の少ない8月(上旬~中旬)に?

当初、夏が始まる前の予想では、8月は全国的に平年より晴れる日が多く、猛暑の恐れがあるという予報でしたが、ふたを開けてみれば、関東以北ではまるで逆をいくような結果となっています。
東京の今月の真夏日日数は昨日14日までで半分の7日です。
きょう15日の予想最高気温も27℃で、今発表されている週間予報では中旬いっぱい(20日まで)30℃以上の真夏日は予想されていません。
もしこの通りになれば、8月の真夏日日数は上旬~中旬にかけてたったの7日しかないことも予想されますが、一体これはどれ位少ない数字なのでしょうか?
真夏日の少なさは1993年大冷夏以来となる可能性

東京の8月上旬~中旬の真夏日の日数を調べたものが上図です。
このところほとんどの年で15日以上あり、2016年、2013年、2010年などは19日と、言ってみればこの時期、真夏日にならない方が珍しい位です。
2003年の冷夏の年でさえ10日ありました。
もし今年が予想通り、真夏日日数が一ケタで終わってしまうと、1993年の大冷夏の年(4日)以来のこととなります。
この年は冷夏の影響で水稲の不作がひどく、深刻な米不足に陥ったほか、夏物衣料や家電製品、ビールや清涼飲料の販売不振、海水浴客の減少などが深刻となりました。
第一の原因は太平洋高気圧が弱いこと

不順な天候が続いている原因として、まず第一に太平洋高気圧が弱いことがあげられます。
気象庁の予想では8月に強まるはずの高気圧がさっぱり強まらずに、むしろ冷夏をもたらす北からの高気圧(オホーツク海高気圧)が強く張り出しているのです。
上空の天気図をみると、まだ梅雨の最中だった7月上旬は日本付近に南から高気圧が強く張り出して(オレンジ色)、むしろ梅雨というよりは真夏に近い状態だったのに、8月上旬は台風5号がウロウロしたこともあり、太平洋高気圧は日本付近で姿を消してしまっています(青色)。
今後の見通しとしては、来週になれば夏空と残暑が戻る予想ですが、季節はもう8月下旬。ちょっと遅い感じがします。
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人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。