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Channel: 原典聖書研究
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家電量販店は何処へ行く?

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 インターネットが日本に本格上陸して漸く22年あまり、最初はメールやホームページ閲覧

ぐらいしか出来ませんでしたが徐々にネット通販が拡大し今や15兆円を越える市場規模に

なり、さらに拡大は続きます。決済や振込も次々ネットに移行し、最近は不動産や賃貸物件

や中古車や新車の取り引きも拡大し、日用雑貨に衣料品や食品はもちろんパソコンや家電製品は

雪崩を売ってネットに飲み込まれています。

   配送大手のヤマトや佐川や郵政などが熾烈な駆け引きを展開し、ネット通販大手は巨大な流通

倉庫と配送網を独自構築して引き揚げや取り引き中止を切り札に恫喝交渉してもどちらも一歩も

引く気配がありません。

  そこへコンビニや巨大流通事業者も巻き込んで下克上の戦国時代がいま正に目の前で

天下分け目の熾烈な関が原の戦のような駆け引きが火花を散らして居ます。

  大荒れに荒れている物販の世界でネット通販の大波をもろに受けているのが家電量販店です。

何処で買っても同じ製品ですから、ネット経由で製造元から直接消費者に配送も可能な時代で

倉庫も店舗も売り子も経理も仕入れや配送担当者も持たないネット通販が価格で有利なのは必然

で、大抵の電化製品はネットでは3割りから五割引きの格安で飛ぶように売れています。

  こうなっては家電量販店は万事休す。大手も根本的な商売のやり直しを迫られ、一歩間違えると

廃業在るのみという厳しい現実だという次第です。

  以下は生産者と消費者をダイレクトに結合するインターネットの普及によって流通業が配送業に

取って代わられる過酷で深刻な変化が世界に押し寄せていることを報じるネットニュースです。


10年後には、日本の「家電量販店」は消滅しているかもしれない 「ビッグ3」の業態変化が示す未来

 家電量販店の大手3社(ヤマダ電機、ビックカメラ、ヨドバシカメラ)が、それぞれ独自の方向性を打ち出し始めている。

 背景にあるのは、日本の消費構造の大転換である。10年後には家電量販店という概念は消滅しているかもしれない――。
「住」の全てを網羅する戦略
 家電量販店最大手のヤマダ電機は今年6月、住宅のリフォームやホームファッション、インテリアなどを総合的に提供する新型店舗「インテリアリフォームYAMADA」前橋店をオープンさせた。

 店内には、ホームファッションやインテリア雑貨、家具といった商品が並んでおり、「住」に関するあらゆる商品を一度に見て回ることができる。

 商品のラインナップを見る限りでは、家具メーカーのニトリに近いイメージだ。ニトリはもともと家具専業だったが、ホームファションの分野を強化し、現在では売上高の半分以上を家具以外の商品が占めるようになった。

 世界的な家具メーカーであるイケアも、ホームファッションを強化していることを考えると、「住」に関するフル・ラインナップは最近のトレンドといってよいだろう。家電製品の売れ行きが頭打ちとなる中、ヤマダがこの分野に目を付けたのは自然なことかもしれない。

 ヤマダの場合にはさらにその先がある。インテリアリフォームの店内には、同社が設立したハウス・メーカーであるヤマダ・ウッドハウスのショールームもあり、家の建築についても相談できるようになっている。

 また今年6月に設立されたばかりのヤマダ不動産も店舗内にスペースを確保する予定となっており、物件の紹介やローンの相談など、総合的な不動産サービスにも乗り出す予定だ。

 ちなみに、先のインテリアリフォームYAMADAの近隣(200メートル圏内)には、テックランドの店舗とヤマダ・ウッドハウスのモデルルームがあり、エリア全体でヤマダ電機のサービスを提供できる仕組みになっている。

 不動産の購入や家のリフォーム、家具や家電製品の購入、さらには雑貨に至るまで、まさに「住」に関するトータル・サービスを目指すというのがヤマダの戦略である。

 インテリアリフォームの店舗は新業態の「顔」として全国展開する予定となっており、各地でエリアに特化した販売を実施していくと考えられる。

家電に代わる事業へ
 ヤマダ電機が、住宅や不動産への参入を本格的に検討し始めたのは2010年頃のことである。ヤマダ電機は、家電量販店の中では常に先頭を走ってきた企業だが、高齢化や人口減少という消費構造の変化に直面し、売上高の減少に悩まされてきた。

 2011年には2兆1500億円の売上高を誇っていたが、2017年3月期の売上高は1兆5630億円にまで減少した。利益率の高い商品の集中販売やコスト削減で何とか利益は維持してきたが、このままでは縮小均衡を余儀なくされてしまう。

 同社が家電に代わる今後の成長の柱と位置付けたのが住宅関連事業である。住宅の建設やリフォームには家電が関係するので、ヤマダ電機の強力な仕入れルートやノウハウを活用すれば、理屈上、住設機器の仕入れにおいても同様の効果を発揮することが可能となる。

 ただ住宅と家電では製品サイクルや販売方法がまるで違っている。量販店でのノウハウしか持っていなかった同社は、関連企業の買収からスタートした。

 2011年に中堅住宅メーカーのエス・バイ・エル(現ヤマダ・エスバイエルホーム)を、2012年には住設機器メーカーのハウステックホールディングス(現ハウステック)を買収し住宅事業のノウハウを蓄積した。

 2013年には新会社として、注文住宅メーカーのヤマダ・ウッドハウスを設立。同年末には、全国の不動産会社を対象に、パートナー企業の募集を開始し、総合的な不動産サービスに乗り出す準備を整えた。

 一連の取り組みが、同社グループの業績にどのように貢献するのかは、まだ何とも言えないが、業界トップのヤマダが家電一辺倒という方向性に見切りを付け、住宅・不動産にシフトしていくのはほぼ確実といえる。

一方ビックカメラは…
 一方、従来の家電量販店の路線をとことん追求しようとしているのがビックカメラである。同社の売上高は約7800億円(コジマ含む)とヤマダ電機の半分となっている。おかげで、ヤマダと比較すると市場縮小の影響は小さいが、それでも売上高の伸び悩みに直面しているのは同じだ。

 同社はパソコン専門店だったソフマップを2010年に完全子会社化したが、秋葉原にあったソフマップ旗艦店の営業を今年5月で終了。6月からは「ビックカメラAKIBA」としてリニューアル営業を開始した。残りの旧ソフマップ店舗についても、あらたに「AKIBAビックマップ」というブランド名で店舗運営を行っていく。

 旧ソフマップ時代には、著名な作曲・作詞家に依頼して制作した独特のテーマソングが売りだったが、今回、AKIBAビックマップを立ち上げるにあたり、ビックカメラはツイッターでテーマソングを募集。ビックカメラのテーマソングのAKIBAバージョンを作るなど宣伝にも力を入れた。

 ビックカメラAKIBAを含むAKIBAビックマップは、最新家電に加え、アニメやアイドルグッズなどサブカルチャー系に特化した専門店という位置付けになっており、店舗ごとに取扱商品が分かれているのが特徴だ。

 旗艦店のビックカメラAKIBAでは、白物からスマホ、パソコン、日用品まで幅広い商品を揃えている。一方、それ以外の旧ソフマップ店舗では、アップル関連製品、パソコン、中古品、フィギアなど、店舗ごとに商品を絞ったラインナップとした。

 これは近隣店舗と一体となりエリアでサービスを提供するという考え方であり、秋葉原という土地に特徴的な店舗戦略と解釈することができる。

 ビックカメラはソフトマップという資産を生かす必要に迫られており、もしかすると消極的な選択だったのかもしれないが、結果的にエリア特化型の量販店を目指す形になっている。

ヨドバシはアマゾンを食らう
 一方、主戦場を店舗ではなく、ネットにシフトさせ、アマゾンが狙う新しい市場に参入しようとしているのがヨドバシカメラである。

 ヨドバシの売上高は約6600億円となっており、ここ数年、6000億円台での推移が続いている。経常利益は500億円台となっており、200億円台であることが多いビックカメラと比較すると、まずまずの高収益体質である。

 ヨドバシの高収益は無理な出店を避けてきたことやネット通販を強化したことが主な要因だが、同社が今後の活路として見いだしたのはやはりネットであった。

 同社は2016年9月、アマゾンの即日配送に対抗し、ネットで注文した商品を最短2時間半で届ける新サービス「ヨドバシエクストリーム」を開始した。

 サービスは基本的に無料で、ネットで注文すると、即座に出荷が行われ、配達要員がどこにいるのかといった情報もネットを通じて確認できる。荷物の受け取りにサインが要らないため、受け渡しもスピーディだ。

 同社は、新サービスの立ち上げに際して、川崎市にある物流センターを大幅に拡充。アマゾンに匹敵する物流システムを作り上げた。

 ヨドバシエクストリームでは、従来から取り扱っている家電やAV機器、パソコン類に加え、日用品のラインナップを強化している。ヨドバシの路線は、アマゾンが目指す方向性とかなりの部分で一致している。

3社の行く末は
 これまで家電量販店は、どこも同じような戦略であり、純粋に企業体力やシェアが勝負を決めていた。だが市場の飽和によって、3社はまったく別々の方向に向けて歩み始めている。これは、大量生産・大量消費という従来の市場構造が大きく変化したことと無縁ではない。

 近い将来、従来型の家電量販店でマス向けの商品を購入するというスタイルは消滅しているかもしれない。米国ではアマゾンが既存の小売店を駆逐しながら大躍進を遂げているが、一方でウォルマートもネットを強化し、品物を受け取る配送拠点として各店舗を活用するなど、アマゾンと互角に戦っている。

 ネットが当たり前の存在として社会に普及した今、ネットビジネスとリアルビジネスという区分は意味がなくなりつつある。確実に言えることは、いずれのアプローチを実施するにせよ、中途半端な立ち位置の企業は存続が難しくなるということである。

 その意味で、ここで取り上げた3社は、成功するかどうかはともかく、新時代に向けて行動を開始した経営姿勢はおおいに評価していいだろう。もっとも危ないのは、業態をまったく変えることができず、前進も後退もできない企業ということになる。

加谷 珪一




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