遺伝子を調べればなんでも分かるという遺伝子信仰が危機に瀕しています。本来であれば
難病に成る筈の遺伝子異常をもつ健常者の発覚が原因です。そうして、この遺伝子信仰の
危機を乗り越えるためにはさらなる大規模な調査が必要だといって予算や寄付を目論む
悪質なネットニュースは以下です。
難病遺伝子あるのに健康な人を発見、約60万人から13人 研究
2016年04月12日 14:00 発信地:パリ/フランス

単一遺伝子の特異的変異に関連する「嚢胞(のうほう)性線維症」や他の数十に及ぶ希少難治性疾患の治療法開発に向けた新たな道を開くものだ。これらのいわゆる「メンデル突然変異」(19世紀の近代遺伝学の創始者にちなんでこう呼ばれる)が一つでもあると病気の発症は避けられないというのがこれまでの医学の定説だった。
今回の研究を主導した米マウントサイナイ・アイカーン医科大学(Icahn School of Medicine at Mount Sinai)のエリック・シャット(Eric Schadt)教授は「大半のゲノム研究は病気の原因の発見に重点的に取り組んでいるが、われわれは何が人を健康に保つかということの解明に大きなチャンスを見出している」と話す。シャット教授は声明で「数百万年に及ぶ進化は、われわれの現在の理解をはるかに超える防御機構を形成してきた」と述べた。
シャット教授は、同僚のスティーブン・フレンド(Stephen Friend)氏とロン・チェン(Rong Chen)氏とともに、研究者30人からなるチームを率いて、約60万人のゲノム(全遺伝情報)から得られた900個近い遺伝子に関するデータのふるい分けを実施し、数百種類の異なる遺伝病のどれかの原因となる明確な変異を探した。
厳密な選別を行った結果、通常であれば8種類の消耗性疾患のうちどれか1つを引き起こす遺伝子変異がある人が13人見つかった。
これら8種の疾患には、肺や消化器系に重度の損傷を及ぼす嚢胞性線維症の他、頭蓋骨の重度の変形を特徴とする「ファイファー症候群」や、多発奇形や知的障害に関連する疾患の「スミス・レムリ・オピッツ(SLO)症候群」などが含まれていた。
求む「遺伝子のスーパーヒーロー」
米マサチューセッツ総合病院(Massachusetts General Hospital)のゲノミクス研究者、ダニエル・マッカーサー(Daniel MacArthur)氏は同誌に掲載された解説記事で「これらの数少ない人々には、通常なら発症するはずの深刻な疾患を防御する遺伝要因や環境要因の何らかの組み合わせがあるに違いない」とコメントしている。同氏は今回の研究には参加していない。
研究の次の段階は、この種の遺伝的変異があるにもかかわらず大人になるまで生存した人について、これらの防御機構を特定し、最終的には再現するために十分な数の事例を見つけることになると思われる。
専門家らは今回の研究に関して、病気の原因になることが知られている遺伝子変異があるにもかかわらず健康を保っている人々を見つけるため、大規模な母集団のゲノムを解析するというアイデアは、大きな可能性を秘めていると口をそろえた。
「この目標を達成するには(数千人ではなく数百万人規模の)途方もなく大型のサンプル集団が必要になる」とマッカーサー氏は指摘した。
また、調査対象者が署名していた同意文書の制約から、研究チームは13人の誰についても追跡調査を行うことができなかった。目標達成には、自身のゲノムと臨床に関するデータを進んで提供する、マッカーサー氏の言うところの「遺伝子のスーパーヒーロー」の登場が不可欠となるという。(c)AFP/Marlowe HOOD
英科学誌に発表された研究結果(英語)
出典:Nature Biotechnology 2016年4月11日単一遺伝子疾患は1つの遺伝子の異常で発症すると考えられている
出典:信州大学医学部付属病院 遺伝子診療部関連トピックス
AFP=時事 2016年4月12日 14時13分
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