炉内燃料、ほぼ全量溶融 宇宙線利用調査で初確認
2015.3.19 21:36更新sty1503190020
東京電力は19日、宇宙から地球に降り注ぐ宇宙線から生じる「ミュー粒子」を利用して福島第1原発1号機を調査した結果、原子炉内の核燃料がほとんど溶け落ちていることを確認したと発表した。燃料溶融を調査により確認したのは初めて。
1号機については、事故時のデータ解析などから、ほとんどの燃料が溶融して格納容器に落下したとみており、今回の調査結果はこれを裏付ける内容。

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ミュー粒子を使って福島第1原発1号機の原子炉を透視した様子。格納容器や圧力容器の輪郭が浮かび上がったが、核燃料があるはずの場所には何も映っていない(国際廃炉研究開発機構提供)フルスクリーンで見る閉じる
東電は、廃炉工程で最難関となる溶けた燃料(デブリ)の取り出しに向け、具体的な取り出し手法の検討に活用する。
ミュー粒子はほとんどの物質を透過する一方で、ウランなど密度が高い物質にぶつかると吸収されたり進む方向が変わったりする性質がある。
調査はこの性質を利用して開発された測定装置を使用。2月から原子炉建屋脇に設置した2台の装置で建屋を抜けるミュー粒子を測定し、燃料の位置や分布を調べた。
ミュー粒子はほとんどの物質を透過する一方で、ウランなど密度が高い物質にぶつかると吸収されたり進む方向が変わったりする性質がある。
調査はこの性質を利用して開発された測定装置を使用。2月から原子炉建屋脇に設置した2台の装置で建屋を抜けるミュー粒子を測定し、燃料の位置や分布を調べた。