今まで地域独占で原子力発電にのめり込んだ日本の電力会社にとって送発電の分離と参入の
自由化によって乗り換えは3割りに達する可能性が在るようです。 電力会社にしてみれば
参考になるのはあのNTTと言う独占企業の凋落でしょう。 期待されるのは脱原発と電気代の
暴落ですが問題は原子力にのめり込んだ莫大な廃炉経費の配分です。
もし、原発さえ無ければこの原油安は渡りに舟でエネルギーコストの劇的低下と日本の産業
競争力の増加が期待できたのですが、残念な事に福島事故や再稼動すらままならない危険な
恐ろしい老朽化原子力発電所の莫大な廃炉経費と未来永劫電気代に上乗せされるであろう
厖大な使用済み核燃料の保管です。
以下は原子力発電によって日本国民が未来永劫被るであろう負の遺産がのしかかり、
わが国の将来が暗転してしまった事を明白にする世界電力自由化の有り様を報じる
ネットニュースです。
電力・ガスシステム改革で激変する日本のエネルギー市場――第1回:これから何が起こるのか?~海外事例から読み解く

すでに欧米では電力・ガス自由化で日本の先を行っており、それらの手法を参考とすることはできます。ただし、日本の改革は、欧米が10年以上かけて実行してきたことを3年強程度(2015年現時点)で実現していかなければならないため、事業者にとっては決して容易な道程ではありません。しかも、2011年の東日本大震災以降、日本の電力供給構造が大きな節目を迎えており、特に電力業界は根底からあらゆる改革に対応していかなければならないという複雑な状況にあります。しかし、先んじて対応を行い、この変革を大きなビジネスチャンスとすることもまた可能ではないでしょうか。
そこで、今回は複数回にわたりで、「電力・ガスシステム改革で激変する日本のエネルギー市場」と題し、日本の公益業界が市場自由化などに向けて今、取り組むべき課題と、その解決の方向について考えていきたいと思います。第1回は、「これから何が起こるのか?~海外事例から読み解く」というテーマでお伝えします。
2倍以上の速度で駆け抜けなければならない日本
まず、EUでの改革と日本における改革の工程表を見比べてみましょう。EUでは1995年頃から、およそ10年以上の時間を要してその変革が進んでいきました。
一方、日本では2013年に広域系統運用機関の設立が決定されるとともにその後のスケジュールが示され、前回(2014年6月)の改正により電力小売全面自由化は2016年に実施されることが決定しました。そしてその最終段階となる「発送電分離」は2018年~20年に実行を予定しています。つまり、日本はEUの半分以下の時間で一連の改革を実行しなければならず、極めて限られた時間で臨む必要があることがおわかりいただけると思います。
海外では何が起きたのか?
ではまず、電力市場自由化により、実際に海外で起きたことを見てみましょう。
1.ドイツ:業界集約と価格競争、電力小売ビジネスの台頭
ドイツでは、旧来は8社あった電力会社が、M&Aにより4社に集約されました。同時に、発送電分離などの制度対応に伴い、統合された会社の中での組織分割も実行されました。この再編を効率よく、しかも競争力を維持する形で実施できたかどうかが、その後の命運を分けたことは自明です。また企業によっては、間接部門に関しては、積極的なシェアードサービス化などの施策がとられ、小売事業の要となるCIS(CIS:顧客管理・料金計算システム)を含めてBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスとして提供し、収益化の施策としている、などの例もあります。
そして電気という目に見えず、元来差別性のない商品の販売に際しても、若者向けや環境志向の強いユーザー向けといったブランディングを行い、同一企業であっても複数のチャネルでサービス提供を行うようになりました。各種の電力小売サービスの比較サイトなども出現し、小売ビジネスもさまざまな形に発展しつつあります。
2.イギリス:異業種・外資からの新規参入と活発化する企業提携
イギリスでは自由化に際し、国営の独占企業が16の会社に分割されました(発電:3、配電:12、送電:1)。自由競争が促進され、外資や異業種からの参入が増加し、分割された会社を買収したり、出資や提携するといった動きが増えました。現在では、BIG 6と呼ばれる6つの企業グループが市場全体の95%を占める状態にいたっています。元々はガスの国営企業であったセントリカ社は、自由化により電力小売ビジネスをもスタートさせました。ガスとのセット販売で当初は顧客にメリットを出したりしました。その後も継続的に顧客向けサービスを充実させ、電力モニターやエネルギー消費分析などのサービスを提供したり、ポイント制度と連携を取り電気料金のポイント支払いなどが可能なサービスを実施しています。また、スーパーと提携し、そのスーパーのウェブサイト上で電力サービスの契約ができるようになるなど、マーケティング面を含めた多種多様な事業提携が展開されています。
3.オーストラリア:電力会社の切り替え率が3割に達する州も
オーストラリアでは、他国に比べて、需要家によるサプライヤー選別が非常に厳しくなっています。州によっては、毎年、需要家の30%近くがサプライヤーを変更しているのが現状です。こうした事態に対応するため、最近、電力供給事業者では、より小売に軸足を置いた対応を行っています。一方で、オーストラリアではもともと、大手企業による寡占化により電気料金が高騰する傾向にあります。過去に比べて電気料金が40%程度も上昇しており、小売業者は効率の良さも併せて追求していく必要に迫られています。そこで、スマートメーター(オーストラリアではスマートメーターの設置指令が出されています)を活用したビッグデータ分析などに注目し、それらを活用した顧客サービスの提供により離反率低減に役立てている企業もあります。
以上、例として3つの国を見てきましたが、事業者にとって共通な課題は、おおむね以下の3点に集約できます。
- 企業構造・組織の改革:
制度改正(法的分離など)や企業構造最適化のための組織再編への対応 - 小売事業対応:
自由競争環境下における顧客獲得、維持施策の迅速な実行 - 競争力強化に関わる対応:
グループでのコスト削減、経営管理の強化
これらの点を中心に適切な対応方法を見定めていくことが重要であることがおわかりいただけたかと思います。
自由化市場で勝ち残るために
この自由化過程において、「勝者」と「敗者」が生まれたことも事実です。では、何がこの二者を分けたのでしょうか。それは、「自由化が始まる前に対応・準備を完了したかどうか」「継続して変化する市場環境対応を行えたか」ということです。勝者は、全面自由化前に経営基盤を確立し、競争開始時には準備万端の状況を作り出していました。M&Aなどによりダイナミックに組織再編の枠組みを作ると同時に、新規契約プロセスの簡素化やコスト競争力のある価格提示など、組織内での新たな規範を、自由化が本格化する前に用意していました。また、ブランディング重視など、顧客志向への意識の転換ができていた点も見逃せません。これらにより、顧客基盤を固め、競合企業に対する優位性を高めることに成功しています。
次回は、この先の完全自由化される日本市場において、サプライヤーとして勝ち残るために必要となる施策について話を進めていきたいと思います。