緊張感のにじむ議事録です。 東電の破綻か再建か、はたまた原発推進県の知事として
福島第一原発事故の犯人企業と渡り合う県知事として譲れない無責任な国と電力会社の
横暴を如何にして防ぎ福島事故の教訓を生かすかのせめぎ合いです。
主要論点は三点、第一は東京電力の安全性を放置した利潤優先体質の根本的改革。
第二点は、最悪の事故時に肝心の周辺住民の被曝を進めた国とそれに従った東電の人命軽視。
第三点は、経営悪化の原因は再稼働の可否などではなく無責任に過ぎる企業体質とそれを看過した
株主の責任放置にあり経営者と株主に相応の責任抜きに再稼働はぎろんできないと言う正論です。
以下新潟県のホームページに公開されている前半と後半の新潟県の議事録全文参照。
東京電力の廣瀬社長と面談しました
2014年01月17日
昨日、新年の挨拶で東京電力の広瀬社長と役員の皆様と面談しました。
昨日、新年の挨拶で東京電力の広瀬社長と役員の皆様と面談しました。
議事録は次のとおりです。
・ 平成26年1月16日(木) 13:00~13:20
・ 訪問者 東京電力㈱ 廣瀬代表執行役社長、増田常務執行役、姉川常務執行役、高橋フェロー、横村執行役員柏崎刈羽原子力発電所長、菅沼原子力・立地本部新潟事務所長
・ 対応者 泉田知事、飯沼危機管理監、山田防災局長
・ 内 容
(廣瀬社長)
今日、お忙しいところお時間いただき本当にありがとうございます。昨年は色々、特に福島発電所の汚染水の問題等々で、大変、皆さんにご心配をおかけして、本当に申し訳ありません。今年は、是非、そうしたことがないように、しっかり取り組んでまいりたいと思いますので、引き続きご指導頂ければと思います。
今年の3月11日で、福島の事故から3年が経ちまして、今なお、新潟県内にも福島県の方が5000人近く避難されている状況が続いておりまして、本当に申し訳なく思っておりますとともに、県の皆様には色々なご支援を賜っているものと思っておりますので、本当にありがとうございます。
丁度、昨日、すでに新聞等々でお耳にされていると思いますが、私どもの新しい総合特別事業計画というものが、認定いただきまして、昨日の夕方だったものでして、ちょうど今日、いの一番に新潟の方へ、午前中に柏崎市と刈羽村に訪問させていただきまして、ご報告することができて、いい機会だったと思っております。
中身はかなり大部の100ページ近い計画になり、色々なことが書いてございますが、やはり基本は福島の責任を東京電力としてしっかり果たしていくんだというところが、一番のポイントとなっておりまして、これは今の見直す前の総合特別事業計画でも同じですけれども、これをしっかりとやっていくということ。そのためにも、国は今度一歩前へ出ていただくということから、東京電力との新たな役割分担等々もはっきりとしてきましたので、その中で東京電力としても3歩も4歩も前に出なければいけないなと思っておりますので、また改めて、社員一同、気を引き締めて、しっかりやって参りたいと思っております。
それから、柏崎刈羽原子力発電所の取扱いにつきましては、10年の計画ですので、収支に何らかの形で織り込む必要があったということもあって、例によりまして、仮置きということで、これは今の見直す前の総合特別事業計画と同じ扱いでございますけれども、仮置きという形で置かしていただきましたけれども、決してこれで再稼働の計画を示すものではないと我々思っておりますので、もちろんそれに向けて、当然適合性の基準に、申請いたしておりますけれども、それもしっかりやっていただかなくてはいけませんし、なにより地元の皆さんにも、まだまだご説明が足りているとは思っておりませんし、防災計画や避難計画についてもまだまだやっていかなければならないことが、たくさんあると思っておりますので、まずはそうしたことを我々としてしっかりとやっていかなければいけないと思っております。
本当に色々な計画が書いてありますし、なかなかその中には、いわゆるチャレンジングな、達成が容易でないものもたくさんございますけれども、とにかく福島の責任をしっかり果たしていく上でも、安定供給をしっかりしながら、東京電力としての役割を、特に今度は電力システム改革で、自由化が目前に迫っておりますので、そうした中でもしっかりと役割を果たしていけるような、企業体質にしていかなければいけないなということで、改めまして、本当に身の引き締まる思いでございます。しっかりやっていきたいと思っておりますので、色々とご指導頂ければと思っています。
(泉田知事)
ご説明、ありがとうございました。安全に関わることについて、特に柏崎刈羽原発、全く協議のないまま申請をされたということで、大変残念に思っております。
それから、経営者でいらっしゃいますので、ご存じだと思いますけれども、アメリカの自動車会社、ゼネラルモータース、ここもV字回復を遂げることができました。日本でも、日本航空さん、JALもですね、V字回復を遂げることができました。今回の計画は、株主責任、貸し手責任を棚上げにした、モラルハザードの計画をお作りになったとしか見えないですよね。結果として、モラルハザードの中でですね、免責をされれば、事故が起きても責任を取らなくてもいいということを意味しますんで、それは危険性が高まるということなんだと思います。
安全文化という観点でもですね、今回の計画というのは、極めて資本主義社会から見てもおかしな計画になっていると。安全性について、これで会社が変わったということを受け止めるのは、なかなか難しい計画だなというふうに受け止めています。計画の作り方自身に問題があると、私はそういうふうに受け止めていますので、技術的なところだけではなくて、会社での意思決定、この過程も検証していただいていませんので、是非、社長のリーダーシップでですね、県からお願いしていること、立地協からお願いしていることも含めて、会社内のですね、福島の事故の検証、これ是非やっていただきたいと思いますけれどもいかかでしょうか。
(廣瀬社長)
今回の計画がとてもV字回復のような状態とも思いませんし、なにより、繰り返しになりますが、自由化の中で、お客様に選んでいただけるような状態にしていきませんと、いわゆる地域独占の形態ではもうなくなるわけですので、電気料金も下げていかなければいけないですし、そうしたV字回復というイメージとはだいぶほど遠い計画かなとは、私自身思っておりますけれども、いずれにしろ、福島の責任を果たしていかなければいけないということは我々も全く事実でございますので、それができる企業になっていかなければいけないと、まず一つあると思っております。
それから、安全については、もちろん事故を踏まえて、我々としては一番大事なところということで、これは知事から何度もご指摘いただいているように、とにかく安全を優先するという形で、これからも進めていかなければいけないし、しっかりとそうした形を取っていきたいと思います。
福島の検証については、これも常に知事からもご指摘いただいているところですし、我々も何度もご説明差し上げていると思いますけれども、大前先生を始め、色んな方に入っていただいて、福島の事故の検証、あるいは知事がよくご指摘される情報公開の問題等々含めて、一つの我々としての見解と言いましょうか、その時の状況については、全ての状況を差し上げて反省すべき点がたくさんあるということでお話させていただいております。県の技術委員会で正に福島の検証をしていただいているので、これからも我々、積極的に対応させていただいて、できる限りそうしたことも解明していくというつもりでおりますので、これからも本当に一生懸命やっていきたいなと思っております。
(泉田知事)
銀行と株主を免責した計画、これ、どうお感じになっていますか。
(廣瀬社長)
株主につきましては、全く免責をしているということではなくて、株価の大きな下落、それから、今度の計画にも書いてありますが、いずれ政府の保有株、すごくたくさんの株が放出といいますか、ひいて行かれるわけですから、当然その過程で、相当な希釈化が行われるということで、株主さんにとっては、その間ずっと無配で続いていくことになると思いますので、相当厳しい状況に、ご迷惑をおかけしてしまうなと、経営の立場からいって、株主さんに対して、本当に申し訳ない状況になっているということで、株主責任をどう捉えるかということもありますが、それなりのご負担をいただいているなと思っております。
一方、金融機関につきましては、確かにそうした議論があることはよく承知しておりますが、債権放棄等々のことをしてしまいますと、二度と我々、お金を借りられなくなると思いますし、そうなった時の副作用を考えますと、我々、まだまだ福島の責任も含めて、やっていかなければいけないことがたくさんありまして、一時は減免されるということで、我々は相当、楽になるわけですけれども、それは正に一時の話で、これから企業として、それこそ30年、40年に亘って、福島の廃炉を続けていくうえでは、相当なお金も掛かりますし、そこに関して金融機関からの与信をいただくという必要、当然出てくると思っていますので、むしろ金融機関の皆様には、引き続き、しっかりと我々を支えていただくなり、しっかり与信の枠を維持して、またしっかり新規の与信をいただくなり、そういう形で責任をとっていただきたいというのが、今回の計画の肝になっていますので、そこは色んな形があると思いますけれども、今回、そういした形で金融機関に協力をいただくと、させていただいている。