無痛分娩事故多発でも医師は不起訴か無罪

京都府の産婦人科医院で、出産の際の「無痛分娩」により、親子に重い障害が残った事故で、書類送検されていた男性院長が不起訴処分となりました。

京都府京田辺市の産婦人科医院では、２０１２年１１月、ロシア国籍のエブセエバ・エレナさん（４０）が、麻酔で痛みを和らげる無痛分娩で出産し、長女（４）とともに寝たきりとなる重い障害を負いました。エレナさんの夫（５５）らは８月、麻酔薬を大量に投与し、打つ場所を誤るなどミスがあったとして、男性院長を業務上過失致傷の疑いで刑事告訴。京都府警が今月、書類送検していましたが、京都地検は３０日、院長を嫌疑不十分のため不起訴処分にしたと発表しました。夫は、会見で、「きょう最終的に処分が決まったというのを聞いて、残念に思っています」と話しました。京都地検は不起訴処分の理由について、「過失を認定するに足りる十分な証拠の収集には至らなかった」としています。