カッコウの巣とは言わずと知れた精神科病棟の隠語です。 その実体は映画
「カッコウの巣の上で」に明白に告発されていますが、なんと100年前のカッコウの
巣の下が発掘されて7千人もの遺体が出てきたというのです。
お気の毒な精神医療という殺戮の犠牲者たちですが、21世紀になって
人体標本として西洋医学の金儲けに活用できそうだと言うのです。
以下は生きている間だけでは納まらない精神障害者というラベルによって死後も
永眠権の侵害を受けている近代西洋医療の闇の深刻さを報じる希有な
ネットニュースです。
カッコウの巣の上で『カッコーの巣の上で』原題: One Flew Over the Cuckoo's Nest)は、1975年のアメリカ映画。原作は1962年に発表されたケン・キージーのベストセラー小説。精神異常を装って刑務所での強制労働を逃れた男が、患者の人間性までを統制しようとする病院から自由を勝ちとろうと試みるという物語である。いわゆるアメリカン・ニューシネマの代表作の一つで、アメリカでは興行収入1億ドルを超える大ヒットになった。1998年にアメリカ映画協会が選出したアメリカ映画ベスト100では20位に、2006年に選出した感動の映画ベスト100では17位に、2007年に選出したアメリカ映画ベスト100(10周年エディション)では33位にランクインしている。2012年に英『Total Film』誌が「映画史に残る演技ベスト200(The 200 Greatest Movie Performances of All Time)」を発表し、第1位にこの映画でのジャック・ニコルソンの演技が選ばれた。 この映画で描かれている病院は、実際にオレゴン州にあった精神病院で、そこの患者たちもエキストラとして出演したといいます。
ミシシッピ大学の地下から100年前の遺体7,000体が発見される
ギズモード・ジャパン 5/24(水) 21:10配信

ミシシッピ大学の地下から100年前の遺体7,000体が発見された!? しかも研究に活用する計画と。
発見された場所の画像
大きな病院では、亡くなる人もたくさんいる、それはわかります。でも亡くなった人たちがそのまま地下に埋葬されてるとは思ってもいません。が、米国のミシシッピ大学医療センターの地下には、100年ほど前の人たちの遺体が7,000体ほど埋まっているらしいんです。
2013年、ミシシッピ大学が工事のためキャンパスの一部を掘ったところ、地面の中から中身入りの棺桶が66人分出てきました。その後さらにレーダーで調査した結果、現在の推定では7,000体の遺体が埋まっていると考えられています。
ミシシッピ大学医療センターの敷地には、かつてミシシッピ州最初の精神病院があり、1855年から1935年にかけてのべ3万5000人が入院していました。そのうち数千人が入院中に亡くなって、敷地内の墓地に埋葬されました。でも病院が80年ほど前に別の場所に移転したため、墓地だけが残り、その敷地に医療センターが建ったというわけです。その過程で、元々墓地だったことが忘れられちゃったのか、あえて言わないことにした人がいたのか……。
大学当局の試算では、遺体を掘り出して埋葬し直すには一体あたり3,000ドル(約34万円)ほどかかり、7,000人分やると単純計算で合計2100万ドル(約24億円)のコストとなります。大学ではその作業を自前でやってコスト削減することも検討していますが、その場合でも8年間に毎年40万ドル(約4500万円)かかると予想されています。
そのため大学は、2013年に発掘された66人分の遺体は分析後に再度埋葬することにしていますが、残る約7,000体は敷地内に残す方向で考えています。予定していた工事は中止して、別の場所を探すそうです。またこの遺体の主のために記念碑的なものやビジターセンターを建設し、さらに遺体やその衣服、棺を分析・研究する施設までも創設する予定とのこと。こういった研究施設は、米国内でも初めての異色の存在となります。
「それはミシシッピ独自の資源となるでしょう」と語るのは、ミシシッピ大学の文化人類学者、Molly Zuckermanさん。MollyさんはThe Clarion Ledgerで以下のように語っています。
それによってミシシッピは前現代の人の健康状態、特に施設に収容された人のそれに関する歴史的記録という意味で、全米の中心となることでしょう。
ミシシッピ大学では、文化人類学者や考古学者、歴史学者による研究集団Asylum Hill Research Consortiumを立ち上げました。さらに外部からもこの研究に参加できるよう、助成金が下りることが期待されています。
また、ミシシッピ大学医療センターの生命倫理・医療人文科学センターを監督するRalph DidlakeさんはThe Clarion Ledgerで以下のように語っています。
私たちはこの患者たちを受け継いだのです。
我々は彼らに、ケアと敬意ある管理体制を提供したいと思っています。
具体的に何を研究するかというと、たとえば遺体のDNAをすべて分析することが考えられています。そうすることで、亡くなった人たちの子孫が見つかるかもしれません。大学は発掘された人のリストを作り、オンラインで公開する予定です。
すでにミシシッピ大学のコブ考古学研究所では、2013年に見つかった66人を分析し、3人の学生がそのデータを元に修士論文を書いています。たとえば遺伝子解析を元に遺体の口内細菌を再現したり、歯のエナメル質を分析したり、ビタミンB不足による病気・ペラグラの状況を調査したりといった内容です。
ミシシッピではこの精神病院ができる前、精神病の人は牢屋に入れられるか、屋根裏に隠されるかしかありませんでした。なので精神病院ができたのは患者さんたちにとって良いことだったのですが、病院の環境も理想的だったとういわけではなく、1855年から1877年の間には入院患者の5人に1人が亡くなったと言われています。それでも1860年代の南北戦争後には、最大6,000人が収容される規模へと発展していたそうです。
そんなわけで、研究者にとってはすごいポテンシャルがあるのかもしれませんが、素人の私から見ると、100年前の人のお墓を暴いちゃっていいのかどうかが気になるところですね…。
images: University of Mississippi Medical Center
source: The Clarion Ledger
George Dvorsky - Gizmodo US[原文]
(福田ミホ)
発見された場所の画像
大きな病院では、亡くなる人もたくさんいる、それはわかります。でも亡くなった人たちがそのまま地下に埋葬されてるとは思ってもいません。が、米国のミシシッピ大学医療センターの地下には、100年ほど前の人たちの遺体が7,000体ほど埋まっているらしいんです。
2013年、ミシシッピ大学が工事のためキャンパスの一部を掘ったところ、地面の中から中身入りの棺桶が66人分出てきました。その後さらにレーダーで調査した結果、現在の推定では7,000体の遺体が埋まっていると考えられています。
ミシシッピ大学医療センターの敷地には、かつてミシシッピ州最初の精神病院があり、1855年から1935年にかけてのべ3万5000人が入院していました。そのうち数千人が入院中に亡くなって、敷地内の墓地に埋葬されました。でも病院が80年ほど前に別の場所に移転したため、墓地だけが残り、その敷地に医療センターが建ったというわけです。その過程で、元々墓地だったことが忘れられちゃったのか、あえて言わないことにした人がいたのか……。
大学当局の試算では、遺体を掘り出して埋葬し直すには一体あたり3,000ドル(約34万円)ほどかかり、7,000人分やると単純計算で合計2100万ドル(約24億円)のコストとなります。大学ではその作業を自前でやってコスト削減することも検討していますが、その場合でも8年間に毎年40万ドル(約4500万円)かかると予想されています。
そのため大学は、2013年に発掘された66人分の遺体は分析後に再度埋葬することにしていますが、残る約7,000体は敷地内に残す方向で考えています。予定していた工事は中止して、別の場所を探すそうです。またこの遺体の主のために記念碑的なものやビジターセンターを建設し、さらに遺体やその衣服、棺を分析・研究する施設までも創設する予定とのこと。こういった研究施設は、米国内でも初めての異色の存在となります。
「それはミシシッピ独自の資源となるでしょう」と語るのは、ミシシッピ大学の文化人類学者、Molly Zuckermanさん。MollyさんはThe Clarion Ledgerで以下のように語っています。
それによってミシシッピは前現代の人の健康状態、特に施設に収容された人のそれに関する歴史的記録という意味で、全米の中心となることでしょう。
ミシシッピ大学では、文化人類学者や考古学者、歴史学者による研究集団Asylum Hill Research Consortiumを立ち上げました。さらに外部からもこの研究に参加できるよう、助成金が下りることが期待されています。
また、ミシシッピ大学医療センターの生命倫理・医療人文科学センターを監督するRalph DidlakeさんはThe Clarion Ledgerで以下のように語っています。
私たちはこの患者たちを受け継いだのです。
我々は彼らに、ケアと敬意ある管理体制を提供したいと思っています。
具体的に何を研究するかというと、たとえば遺体のDNAをすべて分析することが考えられています。そうすることで、亡くなった人たちの子孫が見つかるかもしれません。大学は発掘された人のリストを作り、オンラインで公開する予定です。
すでにミシシッピ大学のコブ考古学研究所では、2013年に見つかった66人を分析し、3人の学生がそのデータを元に修士論文を書いています。たとえば遺伝子解析を元に遺体の口内細菌を再現したり、歯のエナメル質を分析したり、ビタミンB不足による病気・ペラグラの状況を調査したりといった内容です。
ミシシッピではこの精神病院ができる前、精神病の人は牢屋に入れられるか、屋根裏に隠されるかしかありませんでした。なので精神病院ができたのは患者さんたちにとって良いことだったのですが、病院の環境も理想的だったとういわけではなく、1855年から1877年の間には入院患者の5人に1人が亡くなったと言われています。それでも1860年代の南北戦争後には、最大6,000人が収容される規模へと発展していたそうです。
そんなわけで、研究者にとってはすごいポテンシャルがあるのかもしれませんが、素人の私から見ると、100年前の人のお墓を暴いちゃっていいのかどうかが気になるところですね…。
images: University of Mississippi Medical Center
source: The Clarion Ledger
George Dvorsky - Gizmodo US[原文]
(福田ミホ)