かわいそうでしたねえ、穴に落ちた象さん。 大体こんな危険な穴を放置するなんて言語道断、
関係者を処罰するべきですが、事は複雑です。カンボジアの内戦と言えばポルポトの時代に
始まる大量虐殺。人間を殺そうとして投下された爆弾が穿った穴を内戦終結後に貯水池に
しようという意図で拡大され、それと知らずにやってきた像の群れが落ち込んで脱出不能に
なって危うく一族郎党果ててしまう所でした。発見が早く脱出路を掘削して事なきを得ましたが
やはりお気の毒なのは象さん、安心して水の飲める自然の環境を保全し、人間の都合だけで
迷惑を省みない蛮行は控えていただくのが筋と言う次第です。
以下はひどい目に遭った象さんの救出劇を報じるネットニュースです。
内戦時代の穴から野生のゾウ11頭救出、カンボジア
2017年03月26日 14:03 発信地:プノンペン/カンボジア

【3月26日 AFP】カンボジア東部モンドルキリ(Mondulkiri)州で25日、深さ3メートルの穴の中で泥水にまみれて身動きが取れなくなっていた野生のゾウ11頭が救出された。11頭のうち1頭は子どもだった。11頭は発見されるまで4日間も穴の中にはまっていたとみられる。
モンドルキリ州環境当局のケオ・ソピアック(Keo Sopheak)局長がAFPに語ったところによると、穴は森林保護地域にあり内戦時代の爆撃でできたもの。貯水池として活用するために地元住民がさらに穴を広げていた。ゾウ11頭は水を飲もうとして穴に入りこみ出られなくなっていたところを24日に発見された。この時、ゾウは頭と背中だけが泥の上に出ている状態だったという。
救出作業では、ゾウが抜け出せるよう穴の縁を手で掘って脱出路を作り、さらに泥を薄めるために穴に水を送り込んだ。無事救出されたゾウたちは、ゆっくりと歩いて森林に戻っていったという。ソピアック氏は「もし発見されていなかったら、ゾウたちは死んでいたかもしれない」と語った。
環境保護団体などによると、絶滅危惧種アジアゾウのカンボジアにおける生息数は数百頭どまりとみられる。アジアの他地域と同様にカンボジアでも加速する森林破壊や密猟がアジアゾウの生存を脅かす要因となっている。(c)AFP