実はね、私は電柱の専門家です。 木柱だと単価は5千円ていどコンクリート柱でも精々2~3万で
買え、建柱費用も一本数万円で耐用年数も2~30年で維持経費も大変お安い貧乏人の味方です。
所がですねえ、これを無くして電線地中化を行うと膨大ではなく莫大な投資になり関連する莫大
な経費が確実に消費者に降りかかってきます。その他にも一軒一軒電気、や電話やケーブルテレビ
などの引き込みのやり直し工事費が発生します。水道や瓦斯や下水の工事費を見れば分かりますが
下水だと一件やはり数十万、水道もやはり数十万かかるように電気や電話やケーブルもそれぞれ5万や
10万で工事ができるわけがありません。
それよりも大変なのは電話会社や電力会社やケーブル会社の負担です。道路工事は大抵交通量の
少ない夜間工事ですから昼間の倍の経費がかかります。しかも、工事中は真夜中の騒音に悩まされ
ます。狭い道や通行の多い歩道では工事は尚大変です。1年で終われば良いですがとても無理です。
なぜなら地下には既に汚水管、雨水排水、下水管、瓦斯管、水道管が網の目の様に張りめぐらされ
場所によっては特殊配管や地下鉄、信号ケーブル、専用線なども通っています。それぞれの管理者を
調べ上げるだけでも膨大な作業です。新しい電線の地中化の為に全ての配管は支障物になります。
ということはそれらを避けて大深度にすれば工事費は天文学的になりますし、浅くしたら、一つ一つ、
一箇所一箇所しらみ潰しに権利関係を洗い出し、図面を作成して管理者に連絡して工事によるトラ
ブルに対策を取り、場合によっては立ち会いをお願いして、また特に大変なのは実際の工事では多く
が支障移転となり経費を負担しての相手方の工事をお願いしてその施行を待っての工事着工となります。
もちろん途中でトラブルが起きたり事故になって怪我人や加害行為などが所々で起きます。
もちろんその莫大な工事費は自治体か電気会社や電話会社の負担となります。
お判りの様に電柱の場合の100倍の経費ですめば良いですが無理でしょう。何故そんな莫大な
経費を結局消費者が負担しなければならないほど電柱に問題があるのでしょうか?
美観は確かに良いとは言えませんがそれが大金を出して改善する必要性に成るのでしょうか。
そして、電線地中化の最大の問題は故障の多発ではなく激発です。 私はあの1970年の大阪万国博
で通信ケーブルの保守を担当しました。万博会場は全て地下埋設のケーブルで施行され、関連施設、
特に千里電話局のすぐ近くの千里東町などに設置された関係者宿泊施設も全て電線は地下埋設に
なされました。 千里は丘陵地で水はけも良く、開催期間の1年ぐらいの運用期間に故障など起きるはずは
はありませんでしたが、ふたを開けてみると電気も電話も専用通信線もすさまじい故障に振り回され
ました。一番の問題は地下に設置された配電用の端子缶でした。水密構造で蓋はまるで潜水艦の
ハッチのように4つのネジ部で締めつけてありましたが漏電や漏話や絶縁不良が続出です。
接続端子缶を開けてビックリ、施行して一年も経ないのに中は水浸しです。もちろん電力会社の線も
あちこちで同様の事態です。温度差や結露やポリエチレンケーブルの持つピンホールを経由しての
湿気で水密構造の端子缶はあちらもこちらも水浸しでした。中には満水の端子缶も有りました。
万国博の会場も同様です。端子缶に乾燥剤を入れてみたり接続部分を水から出して乾燥させたりと
散々でした。そして、私たちの作業データーは全て本社の中央研究所に送られ詳細に検討され
日本では乾燥地で湿度の無い諸外国の都市のような電線の地中化は経費や保守や技術上の問題が
大きすぎて無理であるという結論です。
汚水水道瓦斯排水は元々水に強いのですが電気は水や湿気に極端に弱いのです。その湿気に
弱い電気設備を殆どの国土では30㎝も掘れば水がしみだしてくる国土に地中化するのは暴挙です。
ヨーロッパの都市は全て石灰岩などの岩地で地下には膨大な採石跡の巨大な空洞が地下を縦横に
走っておりしかも降雨はまれでそのような都市の電線地中化と日本の湿潤で粘土などの浸水性の
土質の地域とを外見でみた判断は非常識の極みという次第です。
また、電柱の耐震性は1/5が地中に埋まり、さらに特殊鋼縒線で上部を固定されており震度7でも
電柱は倒壊しません。もちろん家屋やビルか倒壊しては壊れますが、震災時にビルが随所で道路を
ふさいでいるのに電柱が災害時に通行を妨げるというのは暴言に過ぎます。
むしろ安く安全で災害や頻繁に起きる豪雨や洪水にもに強く、万が一の災害時にも目視で原因個所
が速やかに発見でき,簡単に復元できる電柱こそは地震や降雨災害や台風などの災害に即応する
優れたインフラであって、それを莫大な金を使ってゼネコンや土建屋をぼろ儲けさせて議員達が
その工事の下請けの口利きで莫大な袖の下をもらえるという丈のために、電線地中化を推進しようと
する小池都政は最悪の政策だと言うことなのです。
以下は懲りずに小池新党から立候補すれば、電線地中化での口利きで大儲けが出来るので
是が非でも電線地中化を進めて議員を集めようという見え透いた都知事の国民を食い物にした陰謀
を吹聴するネット映像です。