これだけいろいろな記事が世間を騒がしていては当事者は大変でしょうね。あることないこと
次から次へと大見出しの記事で配信され、それが世界をかけ巡ってそれかさらなる衆目を
集めて記事が書かれるという好循環?で東芝が何時倒産するかで話題が持ちきりです。
311からまもなく6年の節目を迎えますからそのあたりでめでたく幕引きとなるのが大方の
予想どおりで目先の利く投資家たちはとっくに売り逃げているでしょうが、お気の毒なのは
逃げ損なったり騙されて紙屑になったババを掴まされた多くの人々です。
また一番喜んでいるのは今や遅しと美味しい事業のバーゲンセールに食指が伸ばせる
金融関係者であることは違えません。
以下は破綻が決まり粛々と会社整理が勧められる20世紀のゾンビ原発企業の悲惨さを
食い物にする数多のマスメデイアの取り組みです。
<東芝>解体の危機 相次ぐ優良事業の切り売り
毎日新聞 2/15(水) 6:00配信

◇7125億円損失計上で実質的な債務超過に
東芝は14日に発表した2016年4~12月期決算の見通しで、米原発事業を巡る7125億円の損失を計上することで実質的な債務超過となった。同事業で不適切な会計処理の疑いが発覚し、この日は正式な決算発表を見送らざるを得なくなるなど、経営は混迷の度を深めている。半導体事業を分社化して、株式の半数超の売却を検討することなどで債務超過の解消を目指すが、相次ぐ優良事業の切り売りで東芝は事実上の解体の危機に直面している。
【原子力事業の損失概要と対応策について東芝が公表した資料】
「正しいとは言いにくい」。東芝の綱川智社長は14日の記者会見で、2006年に54億ドル(約6100億円)を投じて米原発メーカー、ウェスチングハウス(WH)を買収した経営判断の是非を問われ、言葉を濁した。
買収当時は新興国などの需要増加に伴う原発輸出の拡大を見込んでいた。しかし、11年の東京電力福島第1原発事故によって環境が激変。WHは08年に米国で4基の原子炉を受注したものの、当局による規制強化などでコストが膨らみ、東芝は今回の決算の見通しで、7125億円もの損失計上を余儀なくされた。このため昨年12月末時点で1912億円の実質的な債務超過となり、今年3月末までに事業の売却などで資金を調達し債務超過の状態を解消できるかが生き残りに向けた最大の課題となる。
東芝は半導体事業のうち、スマートフォン向けなどのフラッシュメモリー事業を分社化し、新会社の19.9%を売却することで少なくとも2000億円を調達するシナリオを描いていた。しかし、この日の決算見通しの発表で、東芝は過半数の株式売却を検討する方針を示した。綱川社長は「全ての(株式の)売却もあり得る。柔軟に考えている」と、事業の完全な切り離しすら示唆した。
フラッシュメモリーは、東芝の売上高の約3割を占める半導体事業の中核だ。東芝が株売却を2割未満に抑えようとしたのは、事業の主導権を維持し、貴重な収益源を温存する狙いからだった。しかし、株式の売却先を選ぶ入札に参加する企業や投資ファンドからは「20%未満の出資比率では魅力が乏しい」との声が出るなど、入札が低調に終わる可能性もあり、「切羽詰まった状態」(東芝関係者)になっているという。
株売却を増やせば、東芝本体の資本基盤の強化によって一時しのぎにはなるものの、長期的な収益力は低下することになる。
東芝は15年の不正会計問題の発覚をきっかけに経営の悪化が深刻化し、16年3月期連結決算で4600億円の巨額赤字を計上。高い将来性のあった医療機器子会社を6655億円で売却し、白物家電事業も売却するなどして再建を目指してきた。しかし今期も赤字見通しとなり、「虎の子」の半導体事業を手放すことになれば、東芝に柱となる事業はほとんど残らないことになる。
一方で、今回の巨額損失計上の原因となった原発事業について東芝は海外事業を縮小する方針で、綱川社長はWHの保有株売却も検討する姿勢を示した。しかし、原発事業を取り巻く世界的な環境は厳しく、買い手を見つけるのは難しいのが実情だ。【小川祐希】
「本日12時時点では、開示できておりませんことを、お知らせします」。14日正午過ぎ、東芝のホームページ上に一文が掲示された。東芝は同日正午に、2016年4~12月期決算で原発事業を巡る巨額損失を発表する予定で、投資家の注目が集まっていた。
しかし正午を過ぎても発表はないまま時が過ぎ株価は急落。綱川智社長の記者会見は午後4時に設定されていたため、報道陣は会場の東芝本社に詰めかけたが、午後3時の開場時間の直前になって突然、決算開示の延期が発表された。本社ロビーで広報担当者は「会見が開けるかまだ分かりません」と大声で叫び、報道陣は騒然となった。
◇「この期に及んで…」決算発表の延期に驚き
「この期に及んで決算を発表できないとは」。市場関係者の間にも驚きが広がった。東芝が延期の理由に挙げたのは、WHが15年に買収した米原発建設会社の資産価値を評価する際に、「WH経営者による不適切な圧力」があった可能性が生じたことだ。
WH幹部から1月8日と19日に同社社長宛ての内部通報があり、監査法人や弁護士による調査に時間がかかるため、決算を確定することができなくなった。通報が事実であれば決算内容に影響が及ぶ恐れがあり、「発表を延期せざるを得ないと判断した」という。
14日午後6時半になって綱川社長は記者会見を開いたが、WHの内部通報の詳細について同席した東芝役員は「現在調査中で内容はコメントを控えたい」と繰り返すばかりだった。
一方で、決算の見通しという異例の形で巨額損失などを発表したのは、「WHの内部通報の調査結果によって額が大きく変更することはない」(東芝関係者)との見通しがあったためという。
東芝は15年に不正会計問題が発覚。この際も決算発表が間に合わずに2度にわたり延期した経緯がある。問題の責任をとって当時の田中久雄社長が辞任し、経営再建と信頼回復の取り組みを進めてきた。
しかし、原発事業を巡る巨額損失の発覚により再び経営は混乱に陥り、東芝は14日、原発部門を統括していた志賀重範会長が辞任すると発表した。しかし、志賀会長はこの問題で大きな責任があるにもかかわらず、公の場に一度も姿を見せていない。
東証1部に上場する大企業が直前になって何度も決算発表を延期するのは極めて異例で、東芝の信頼回復の道はさらに遠のいた形だ。【和田憲二】
東芝は14日に発表した2016年4~12月期決算の見通しで、米原発事業を巡る7125億円の損失を計上することで実質的な債務超過となった。同事業で不適切な会計処理の疑いが発覚し、この日は正式な決算発表を見送らざるを得なくなるなど、経営は混迷の度を深めている。半導体事業を分社化して、株式の半数超の売却を検討することなどで債務超過の解消を目指すが、相次ぐ優良事業の切り売りで東芝は事実上の解体の危機に直面している。
【原子力事業の損失概要と対応策について東芝が公表した資料】
「正しいとは言いにくい」。東芝の綱川智社長は14日の記者会見で、2006年に54億ドル(約6100億円)を投じて米原発メーカー、ウェスチングハウス(WH)を買収した経営判断の是非を問われ、言葉を濁した。
買収当時は新興国などの需要増加に伴う原発輸出の拡大を見込んでいた。しかし、11年の東京電力福島第1原発事故によって環境が激変。WHは08年に米国で4基の原子炉を受注したものの、当局による規制強化などでコストが膨らみ、東芝は今回の決算の見通しで、7125億円もの損失計上を余儀なくされた。このため昨年12月末時点で1912億円の実質的な債務超過となり、今年3月末までに事業の売却などで資金を調達し債務超過の状態を解消できるかが生き残りに向けた最大の課題となる。
東芝は半導体事業のうち、スマートフォン向けなどのフラッシュメモリー事業を分社化し、新会社の19.9%を売却することで少なくとも2000億円を調達するシナリオを描いていた。しかし、この日の決算見通しの発表で、東芝は過半数の株式売却を検討する方針を示した。綱川社長は「全ての(株式の)売却もあり得る。柔軟に考えている」と、事業の完全な切り離しすら示唆した。
フラッシュメモリーは、東芝の売上高の約3割を占める半導体事業の中核だ。東芝が株売却を2割未満に抑えようとしたのは、事業の主導権を維持し、貴重な収益源を温存する狙いからだった。しかし、株式の売却先を選ぶ入札に参加する企業や投資ファンドからは「20%未満の出資比率では魅力が乏しい」との声が出るなど、入札が低調に終わる可能性もあり、「切羽詰まった状態」(東芝関係者)になっているという。
株売却を増やせば、東芝本体の資本基盤の強化によって一時しのぎにはなるものの、長期的な収益力は低下することになる。
東芝は15年の不正会計問題の発覚をきっかけに経営の悪化が深刻化し、16年3月期連結決算で4600億円の巨額赤字を計上。高い将来性のあった医療機器子会社を6655億円で売却し、白物家電事業も売却するなどして再建を目指してきた。しかし今期も赤字見通しとなり、「虎の子」の半導体事業を手放すことになれば、東芝に柱となる事業はほとんど残らないことになる。
一方で、今回の巨額損失計上の原因となった原発事業について東芝は海外事業を縮小する方針で、綱川社長はWHの保有株売却も検討する姿勢を示した。しかし、原発事業を取り巻く世界的な環境は厳しく、買い手を見つけるのは難しいのが実情だ。【小川祐希】
「本日12時時点では、開示できておりませんことを、お知らせします」。14日正午過ぎ、東芝のホームページ上に一文が掲示された。東芝は同日正午に、2016年4~12月期決算で原発事業を巡る巨額損失を発表する予定で、投資家の注目が集まっていた。
しかし正午を過ぎても発表はないまま時が過ぎ株価は急落。綱川智社長の記者会見は午後4時に設定されていたため、報道陣は会場の東芝本社に詰めかけたが、午後3時の開場時間の直前になって突然、決算開示の延期が発表された。本社ロビーで広報担当者は「会見が開けるかまだ分かりません」と大声で叫び、報道陣は騒然となった。
◇「この期に及んで…」決算発表の延期に驚き
「この期に及んで決算を発表できないとは」。市場関係者の間にも驚きが広がった。東芝が延期の理由に挙げたのは、WHが15年に買収した米原発建設会社の資産価値を評価する際に、「WH経営者による不適切な圧力」があった可能性が生じたことだ。
WH幹部から1月8日と19日に同社社長宛ての内部通報があり、監査法人や弁護士による調査に時間がかかるため、決算を確定することができなくなった。通報が事実であれば決算内容に影響が及ぶ恐れがあり、「発表を延期せざるを得ないと判断した」という。
14日午後6時半になって綱川社長は記者会見を開いたが、WHの内部通報の詳細について同席した東芝役員は「現在調査中で内容はコメントを控えたい」と繰り返すばかりだった。
一方で、決算の見通しという異例の形で巨額損失などを発表したのは、「WHの内部通報の調査結果によって額が大きく変更することはない」(東芝関係者)との見通しがあったためという。
東芝は15年に不正会計問題が発覚。この際も決算発表が間に合わずに2度にわたり延期した経緯がある。問題の責任をとって当時の田中久雄社長が辞任し、経営再建と信頼回復の取り組みを進めてきた。
しかし、原発事業を巡る巨額損失の発覚により再び経営は混乱に陥り、東芝は14日、原発部門を統括していた志賀重範会長が辞任すると発表した。しかし、志賀会長はこの問題で大きな責任があるにもかかわらず、公の場に一度も姿を見せていない。
東証1部に上場する大企業が直前になって何度も決算発表を延期するのは極めて異例で、東芝の信頼回復の道はさらに遠のいた形だ。【和田憲二】
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債務超過の東芝、報告書提出遅れれば上場廃止も
読売新聞 2/15(水) 10:09配信

上場企業は四半期の期末日から45日以内に、金融庁に財務諸表などを記した「四半期報告書」を提出する必要がある。
報告書の提出が期限より1か月遅れると上場廃止となるが、金融庁からやむを得ない事情があると認められれば猶予期間が設けられる。東芝の四半期報告書の当初の提出期限は2月14日だったが、今回は3月14日まで猶予された。
また、東芝が決算期末の3月末までに、負債が資産を上回る債務超過を解消できない場合、東芝株は東証1部から2部に降格となる。1年後も債務超過なら、上場廃止となる。
これとは別に東証は東芝株を、投資家に注意喚起する特設注意市場銘柄(特注)に指定している。東証は、東芝が3月15日以降に提出する内部管理体制の確認書を審査し、特注を解除して上場を維持するか、上場廃止とするのかを決める。
報告書の提出が期限より1か月遅れると上場廃止となるが、金融庁からやむを得ない事情があると認められれば猶予期間が設けられる。東芝の四半期報告書の当初の提出期限は2月14日だったが、今回は3月14日まで猶予された。
また、東芝が決算期末の3月末までに、負債が資産を上回る債務超過を解消できない場合、東芝株は東証1部から2部に降格となる。1年後も債務超過なら、上場廃止となる。
これとは別に東証は東芝株を、投資家に注意喚起する特設注意市場銘柄(特注)に指定している。東証は、東芝が3月15日以降に提出する内部管理体制の確認書を審査し、特注を解除して上場を維持するか、上場廃止とするのかを決める。
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