ダムって本当にムダですよね。 日本で最も早く開発が進んだ天竜川流域をみると
その無駄さが良く分かります。
何が無駄かってお金はもちろんですが失うものが余りに多く得るものが余りに少なすぎます。
一番の無駄はなにかというと無駄なダムによって美しい海岸の砂浜が消えてしまい、その結果
道路や景観や田畑や宅地に工場を守るために莫大な経費が発生し、しかも醜い海岸線が
広がり松林も消え、魚の産卵場も消え水産資源が根こそぎ消失してしまいます。
何故海岸の砂が消えるのかはこういう次第です。 大井川や天竜川のダムによって、供給
されていた南や中央アルプスからの砂の流れがダムでせき止められます。その結果、黒潮や
台風に洗われる久能海岸の砂浜の砂の供給が絶たれます。その結果の周囲の砂浜の減退は
深刻です。 久能海岸を走る国道150号線を走ってみるとすぐに沢山の巨大なテトラポットが
目に入ります。久能海岸を浸食から守るために30年前の時点でここだけて年間100億円の護岸
工事がなされているという信じられない話を思い出します。
何時見ても海岸にはすさまじく巨大なテトラポットが年間を通じて次々海岸線に投入されま
す。しかし、すぐに2500mもある駿河トラフに転がり落ちて年に数回道路が通行止めです。
海岸線は急峻な崖になっていて投入した巨大なテトラポットはそのままにどんどん駿河湾の
底深くに転がっていく丈です。 という事はする駿河湾がテトラポットで全て埋まるまで未来永劫護岸
工事が続くというわけです。その為に必要な膨大な砂はどうするかというと大井川や天竜川に
作られたダムの底にたまった膨大な砂を大金をかけて掘り出しダンプで運んで最終処分場所
に其処を経営する土建屋に支払って棄てた、その砂で駿河湾に投入する巨大なテトラポットを
作っているというのです。 そして、その巨大なダムはもちろん親会社のゼネコンに発注して
作り管理しています。 言ってみれば自民党の建設族という議員達がやれ治水だ、農業用灌漑
用水だ工業用水だ、飲料水だそして治水の多目的公共事業だといって水資源公社や農業用水
組合だダム管理組合だなどとふざけて官僚たちの天下り先を作った汚職再就職無駄ダム
の建設で我田引水の莫大な儲け話の結果です。 国民から税金を絞り上げて、それを自分たちの
美味しい収入源に仕立て上げそれを未来永劫続けているのがダムの本当の問題なのです。
そして私たちからはその為の税金を盗られ、川と豊かな生態系と井戸水を奪われ高い水道代
ヤ様々な用水で作られた下らない工業製品や美味しくない農薬漬けの農業産品を食わさせられ
挙げ句に護岸工事の大金までゼネコンに貢がされているという凶悪な産業界、学術研究機関、
官僚、国県市町村の欲惚け悪徳政治家の思う壺にはめられて、現実のなんたるかも全く
教育や報道から隠されてしまっているのがこの国の本当の姿だという次第です。
以下は遅ればせながら天文学的な数多の無駄なダムの中からたったと3つを取り壊すだけで
世界に配信されるという人類の底知れぬ愚かさを暴露する希少なねっとニュースです。
米国西部でダム3基撤去へ、自然再生めざす
生態系にもたらす恩恵が大きいダムを優先
米国ワシントン州の中南部に住む先住民ヤカマ族は、あと10年もすれば、昔のように伝統のサケ漁ができるようになるはずだ。
ただしそのためにはまず、ネルソン・ダムを撤去しなければならない。ネルソン・ダムは、ヤキマ川最大の支流ナチェズ川にある高さ2.4メートルの分水ダム。1920年代に建設されたが、現在は使われていない。ところがこのダムがあるために、サケの遡上が阻まれているという。(参考記事:「ダム撤去でサケは戻るか? アメリカ」)
ダム撤去を支持する人々は、2020年までに撤去工事を完了したいと願っている。実現すれば、魚や川の栄養分が下流へ運ばれるほか、洪水の危険性も低くなる。
意外に思えるかもしれないが、ダムがなくなることで川の水量が増し、地域の気候回復力が高まるだろうと、ウィリアム・アンド・フローラ・ヒューレット財団で環境プログラムを取りまとめるマイケル・スコット氏は期待を寄せる。なぜなら、ダム湖に水を貯めたままにしておくと多くが蒸発して量が減ってしまうが、その水を下流へ送ってやれば、天然の帯水層へ水を補給することができるからだ。(参考記事:「干ばつが招く地下水の枯渇」)
【動画】ダムがなくなった川に魚たちが戻ってきた(解説は英語です)。
ネルソン・ダム撤去計画は、ヤカマ族と地元自治体、州政府、連邦政府の共同事業だ。ヒューレット財団が支援する3つのテストケースのひとつであり、ダム撤去への寄付金としては最高額となる5000万ドルを提供する。
財団としては、ネルソン・ダムのように、撤去することで生態系にもたらす恩恵が大きいダムを最優先にしたいとスコット氏は言う。また、ダムが「無用の長物」と化していることも条件だという。つまり、既にダムとしての役割を終え、かえって周辺環境へ害を及ぼす恐れのあるダムを対象とする。
このようなダムは、全米で1万4000基以上存在する。2020年までに、70%以上の米国のダムが築50年を超え、その多くが撤去候補となりうる。実際、ダム撤去の動きは広がり、現在も年間数十基が取り壊されている。問題は工事に莫大な費用がかかることだが、一方で古いダムを維持し、新しい基準に合わせて改修工事をするにもやはり巨額の費用が必要だ。(参考記事:「米国に広がるダム撤去の動き」)
これは、ただダムを取り壊すというだけの話ではないと、ヤカマ族の天然資源問題担当のフィリップ・リグドン氏は言う。環境と地域社会に最大限の恩恵をもたらすには、例えば当地のヤキマ盆地30年計画のように、より大きな環境再生計画の一環として撤去作業を進めるべきだという考えだ。ヤカマ族は1960年代、連邦政府との合意で、地域に生息する魚の半分を捕獲する権利を得たが、魚自体が存在しなければ、権利だけを所有していても何の意味もないことに気付いた。
そこで政府や非営利団体と協力して、2011年には築100年近い高さ38メートルのコンディット・ダムを撤去した。それからわずか数カ月で、川にはニジマスが戻ってきたという。
映画にもなったマティリヤ・ダムの例
もうひとつ、ヒューレット財団の支援で近いうちに取り壊しが予定されているダムが、カリフォルニア州ベンチュラ郡にある高さ51メートルのマティリヤ・ダムである。「ダムネーション」というドキュメンタリー映画で取り上げられ、巨大なハサミでダムの壁をふたつに切ろうとしている落書きが登場する。ベンチュラ川の支流に1947年に建設されたが、大量の泥が沈殿し、そもそもの目的である農業用水の確保がもはやできなくなっている。
【動画】映画「ダムネーション」より。ダムができる前のアリゾナ州グレンキャニオン (解説は英語です)。
ベンチュラに本社を置くアウトドア用品のブランド「パタゴニア」は、ヒューレット財団やその他の団体と協力して、2020年までにダム撤去に必要な資金集めを行っている。実現すれば、カリフォルニア州史上最大のダム撤去工事となる。(参考記事:「米最大のダム撤去計画、解体作業始まる」)
「マティリヤはパタゴニア本社のすぐ近くにあって、ぜひとも取り壊すべきだと考えています」と、同社の環境問題担当副社長、リサ・パイク・シーヒー氏は言う。川にすむ魚やその他の生き物はもちろん、釣りや川下りを楽しむ人々のためにも、「自然な環境を取り戻したいと願っています」(参考記事:「ダムの壁に張り付き、塩をなめるヤギ」)
ローグ川の場合
ヒューレット財団の第3のターゲットは、オレゴン州南西部を流れるローグ川の盆地に建設された、複数の小規模ダム群と関連の構造物である。本流の一部は連邦政府の保護区に指定されているものの、その他の場所にある構造物は、既に本来の役割を終え、かえって魚や養分の流れを阻害している。
財団は、ローグ盆地パートナーシップおよびローグ川流域評議会と協力して、向こう10年間で最大50カ所のダムや障害物を撤去する計画を立てている。支援者らは、大きな意味のある第一歩であるとしながらも、まだ先は長いと話す。
ダム撤去の目的は、水、そして自然環境の再生であり、世間の関心は強いとスコット氏は言う。「それに、撤去には爆破工事が伴うとなれば、注目度が高まります」
【動画】壮大なダム解体工事の様子をタイムラプスビデオで撮影(解説は英語です)。
あなたにオススメ