【ロンドン＝共同】英紙フィナンシャル・タイムズ（ＦＴ、電子版）は二十二日、フランス自動車大手ルノーが排ガス試験の際に窒素酸化物（ＮＯｘ）の排出量を不正に操作している疑いがあると報じた。

　同国政府はこうした事実を把握しながら公表していなかったという。政府はルノーの筆頭株主で、企業イメージの悪化を避ける狙いがあった可能性がある。昨年九月に発覚したドイツ自動車大手フォルクスワーゲン（ＶＷ）の排ガス規制逃れを受け、フランス政府は国内外のメーカーを調査し、七月末に報告書を発表した。報告書はルノー車のＮＯｘが欧州連合（ＥＵ）の基準値を九～十一倍上回っていたとしたが、疑惑には触れなかった。

　ＦＴは複数の調査委員の話として、ルノーのスポーツタイプ多目的車（ＳＵＶ）「キャプチャー」が、試験時には運転時よりもＮＯｘを五倍浄化できるように設定していた疑いがあると指摘した。