【2月10日 AFP】シリア南部で5日、国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」が支援している病院が空爆を受け、3人が死亡、6人が負傷した。MSFが9日、明らかにした。
 MSFは声明で、2月5日夜にヨルダンとの国境から約12キロのタファス(Tafas)にある野戦病院が空爆され、建物の一部が損壊し、医療活動ができなくなったと発表した。死傷者には看護師1人が含まれるという。
 声明はさらに、空爆はこの2か月で激しくなっており、シリア南部ではこれまでにも医療施設が空爆による被害を受けてると述べている。だが空爆が誰によるものなのかについては明記していない。
 内戦で荒廃したシリア国内では、同国政府に加えて、米国主導の有志連合とロシアもイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」を標的とした空爆を行っている。
 シリアの支援団体は今年1月、2011年3月に同国が内戦状態に陥って以降、177の病院が破壊され、700人近い医療関係者が死亡したと発表している。(c)AFP

シリアでアサド政権軍がナパーム弾を使用


シリア、ダマスカス郊外ダラヤ。ナパーム攻撃の後


シリアでアサド政権軍が市街地でナパーム弾を大量使用し問題になっています。内戦初期の頃にはテルミット焼夷弾を大規模に使用して使い尽くし、今は使用されていなかったのですが、今度は代わりにナパーム弾が使われ始めました。ナパームとはナフサに増粘剤などを添加しゼリー状にゲル化させた油脂焼夷弾で、広範囲を非常な高温で焼き尽くします。
  • 2015年8月11日、シリアのダマスカス郊外ダラヤでのナパーム弾
攻撃後に不発弾が回収され、内部にゼリー状の物質が確認されています。火を付けると激しく燃えだし、ナパームであることが確定しました。ナパーム弾を含む攻撃用に設計された焼夷兵器は、特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の付属議定書3で国際的に使用が制限され、市街地での使用は禁止対象となっています。ただしシリアはこれに参加していません。

軍事ブログ「オブイェクト」管理人。オスプレイや弾道ミサイル防衛、無人攻撃機など、ニュースに良く出る最新の軍事的なテーマに付いて解説を行っています。