Quantcast
Channel: 原典聖書研究
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5523

ワーゲンの失態がもたらす惨禍とは?

$
0
0
世界屈指のブランドとして君臨するドイツ自動車工業、その中枢企業が核心技術に姑息な不正で

威光は大失墜、果たしてその余波はどのような激震となって世界に波及するのかが心配です。

    おそらくこの大事件による損失は一自動車企業によっては補い得ないでしょう。 何しろ

米国による制裁金だけで2兆円を超えます。米国での僅か48万台でその額ですから世界での

その23倍もの1100万台もの不良車に対する損害賠償たるや膨大であることは当然です。

   そして、その恩恵は必然的にライバル会社に振り向けられるのは明白です。となる代替車両を

提供しうる筆頭候補には厳しい排ガス規制対策に世界に先駆けて特化してきた日本の自動車産業

が筆頭となり、今後のさらなる追い風で業績向上は明白です。

 問題はその後の展開です。 漁夫の利を得た日本の自動車産業に妬みややっかみや逆恨みが

起き、中国で起きたような民族感情の発露としての日本車排除や日本に対する反感や攻撃に転化

しないという保証はどこにも無いと言う事になります。

  かって安くて高性能な日本車が北米自動車産業労働者に失業をもたらした悲劇の再来も

単なる杞憂では済まなくなるのは当然と言う次第です。 以下は混迷する世界経済においては

勝利者も敗者もなく両者ともどもに艱難辛苦を味わいそうな不穏な近未来の到来を懸念する

ネットニュースです。

フォルクスワーゲンで何があったのか? 排ガス「不正」の背後に見え隠れする熾烈な権力闘争 ドイツ全土が揺れている

現代ビジネス 9月25日(金)6時1分配信



「クリーン・ディーゼル」の嘘
 9月19日、フランクフルトのモーターショーの宴もたけなわな頃、フォルクスワーゲン(VW)社の排ガス試験の不正が報道され、以来、ドイツでは爆弾が落ちたような騒ぎになっている。

 問題となっているのはVW社のディーゼルエンジン車で、アメリカの環境保護局が不正を摘発した。

 このニュースが巷に流されたのが土曜日であったことは、おそらく偶然ではない。株式市場の大混乱を防ぐ目的があったはずだ。

 とはいえ21日の月曜日、混乱は十分に起こった。フランクフルトの株式市場が開いた途端、VW社の株価は下がり続け、その日の終値は17%のマイナス。そして、翌22日はさらにまた17%下がった。しかも、株価が転がり落ちたのはVWだけでなく、メルセデスやアウディ、そしてコンチネンタルといった関連会社も同様だ。

 VW社が自ら認めた不正の中身というのは、ものすごくハイテクだ。なんと、排ガスの検査の時だけ、窒素化合物などが少なくなるソフトウェアが埋め込んであったらしい。

 アメリカの環境保護局によれば、普通の走行時は、基準値の10倍から40倍もの有毒物質が排出されるという。よりによってVWは「クリーン・ディーゼル」と銘打って、これらの車種を大々的に宣伝していた。

 このソフトが埋め込んであるのは、2009年から15年までにアメリカで販売されたゴルフなど48万2000台のディーゼル車で、制裁金は1台につき37,500ドルとして、単純計算で、合計約180億ドル。

 しかし、火曜日のニュースでは、不正ソフト搭載の車が販売されたのはアメリカだけでなく、全世界で1100万台に上ると報道された。そういえばドイツの環境保護団体もすでに長い間、排ガス成分の公表値と実際の測量値が一致しないケースを訴えていた。

 なお今回の不正は、単なる数値の粉飾とは違い、環境、ひいては人の健康に害を及ぼすことを承知の上での犯罪だと見なされる可能性が大で、そうなればアメリカでの刑事訴追も免れない。もちろん、すべての車がリコールされ、無償で改善されなければならないので、その経費も莫大だ。

 しかし、何といっても一番の出費は、これから始まるであろう集団訴訟。最悪の場合、VWは国に救済してもらわなければならなくなるかもしれない。

 偶然のことながら、つい最近、日本で自動車関係の本の編集者と会ったとき、VWが良いという話になった。よく走るし、コンパクトだが高級感もある。比較的、値段も安い。これぞドイツの底力。日本の自動車メーカーも頑張らなければ、というような話だった。

 ドイツの私の友人が、今、問題になっているディーゼルのゴルフに乗っていて、数年前まではこの車でよく遠出をした。運転するのはいつも私。ドイツを縦断してバルト海へも行ったし、アルプスを超えてイタリアにも行った。

 だから私は、この車のことは十分に知っているつもりだ。フロント操作のわかり易さ、運転のしやすさ、馬力、燃費、座り心地の良さ、静かさ、そして、小ぶりなのにゆったりとしていて、何時間運転しても疲れない……etc。

 ただ、前述の編集者の話では、売り上げはトヨタに匹敵するのに(2014年はトヨタが売り上げ世界一、わずかの差でVWが2位)、利益率がトヨタよりずっと低いそうだ。利益はいったいどこへ消えているのか?

自動車界の帝王と社長との権力闘争劇

 実はVW社では、今年の4月、不思議なことが起こっていた。VWを世界の冠たる企業の一つに育て上げた天才、フェルディナント・ピエヒ氏が泥沼のような権力闘争に敗れ、監査役会会長という役職を電光石火のごとく辞任したのだ。

 ピエヒ氏をこの座から追い落とすために尽力したのが、マーティン・ヴィンターコーン社長。ピエヒ氏は、ヴィンターコーン社長の任期延長に反対を表明、それを知ったヴィンターコーン氏が反撃し、あっという間に一騎打ちとなったのだった。

 今年78歳のピエヒ氏の過去は光り輝いている。ポルシェ社の創業者、フェルディナント・ポルシェの孫で、生まれた時から血の中に自動車が走っていたらしく、車のエンジニアとしても、企業の経営者としても、めくるめく成功を収め続けた。

 ピエヒ氏は70年代、ポルシェからアウディに移籍し、アウディを大躍進させ、90年代にはVWの会長に就任して、ベントレー、ランボルギーニ、ブガッティ など高級スポーツカーメーカーを次々と買収、労働者の車VWのイメージを一新させた。今では、チェコのシュコダも、スペインのセアトも、そしてポルシェも、すべてVW社の傘下だ。

 2002年からは監査役会会長となっていたピエヒ氏だが、いずれにしても、VWはもちろん、ドイツの自動車界では帝王のような存在だった。その帝王が権力闘争に巻き込まれ、週刊誌を賑わした挙句、無残に追い落とされた。

 ただ、不思議だったのは、闘争の本当の原因が最後まで分からなかったことだ。アメリカ市場での失敗、配当の減少、ヴィンターコーン氏の経営手腕に疑問を呈する意見もあれば、ピエヒ氏の独裁が問題ではないかという記事もあった。

 しかし、どの記事を読んでも核心は書かれておらず、結局、何も分からないまま、私たちはそんな話は忘れてしまった。9月5日になって、後任が決まったという小さな記事が出ていたとき、「そんなことがあったっけ」と、ちょっと思い出した程度だった。

ヴィンターコーン社長の苦しいコメント

 いずれにしても、その権力闘争に打ち勝ったヴィンターコーン氏は、今、VW社始まって以来の危機に際し、その代表者として対処しなければならなくなった。ところがまず20日の氏のコメントは、まことにお粗末なものだった。

 そもそもVW社は、不正を認めているのだ。なのにヴィンターコーン氏は、「我が社はいかなる法規や法律の違反も許さない!」と言ったので、私は耳を疑った。「顧客の信用を取り戻すため、一刻も早く真相を究明したい」とか。

 氏が不正を追及する側だとすると、では、いったい誰がやったのか? 法規の目をくぐり抜けるためのソフトウェアをこっそりと車に仕込むような重大、かつ危険な決定が、下の方のエンジニアだけの独断でなされた? ヴィンターコーン氏が何も知らなかったとは、とても考えにくい。

 ひょっとすると、4月の権力闘争は、本当はこの不正を巡ってのものだったのかもしれないと私は考える。情報はすでにあったのではないか。どうにかして対処しなくてはならないが、社外に漏らすことは許されない。そして、それは実際に漏れなかった。そう考えれば、どの記事を読んでも訳が分からなかった謎は解ける。

 さて、その後、案の定、おかしなコメントを出したヴィンターコーン氏への批判は強まり、22日には、彼が全面謝罪するビデオが流された。ドイツ人が、このように早い時期、しかも真相究明で責任者が明らかになる前に全面謝罪をするというのは、非常に珍しいことだ。

 たとえば、今年3月のジャーマンウィングスの事故でも、150人もの死者が出たにもかかわらず、当時も今も誰も謝ってはいない。"このような不幸なことが起こったことを遺憾に思っ"たり、"遺族とともに深い悲しみに包まれ"たりしただけだ。つまり、謝罪ビデオが作られたという事実が、VW社が非常に追い詰められている証拠でもある。

 VW社は、ドイツ北部のニーダーザクセン州に本社を持つ大コンツェルンだ。フォルクスワーゲンのフォルクは民衆、ワーゲンは車。ヒトラー政権下で立ち上げられた。

 戦後は、あやうくソ連に接収されそうになったが、イギリス軍の管理を経て、49年、ドイツの手に戻る。以後、VWは経済復興を果たしたドイツ人の国民車となったばかりか、全世界で大成功を収めた。

 有名な「カブトムシ」は、戦前から2003年まで生産が続き、2153万という生産台数を誇る。今でも、オールドタイマーとしては貴重品。その設計者が、前述のピエヒ氏の祖父、フェルディナント・ポルシェ氏だ。

 VW社は、中国への進出も早かった。84年に上海汽車との合弁会社を作り、中国市場で大成功を収めている。最近では、販売台数の3分の1以上が中国向けなので、中国の景気減退の影響を受けるリスクも非常に高い。

 それだけに、アメリカ市場に力を入れ始めていたのだが、しかし、VWはこれまでもアメリカで成功した試しがなく、今回、その悪夢がさらに増幅されたというしかない。
VWの醜聞は、ドイツ人自身の醜聞
 いずれにしてもこの事件は、株式市場を見てもわかる通り、問題が一企業に留まらず、ドイツ全体に波及する恐れがある。だから、ドイツ人が戦々恐々としているのはわかるが、一つ気になったのは、22日のZDF(第二テレビ)のニュースに出てきた経済専門家という人の話。

 「我々の車が世界中で認められていたのは、安いからではなく、その高品質のせいであった。今回の事件でその品質に傷がつけば、他国のメーカーが力を増す」

 そこまではわかる。問題はそのあとだ。

 「そうなれば、"ワンダフル! "と言いながら、他のメーカーがその隙間に入り込む。たとえば、トヨタ!」

 と、トヨタを名指しで、しかも憎々しげに語ったのだった。

 これは非常に示唆的だ。すでに日本企業は、人の災いを喜ぶ悪者にされている。しかし、言っておくが、日本車も安いから売れているわけではない。安くて、しかも品質がよいから売れているのである! 私はドイツでも日本車に乗っている。

 ドイツ人は、おそらく私が日本車を誇りに思うのと同じく、ドイツ車に対してアイデンティティーを感じている。特に国民車VWはドイツの技術であり、ドイツ人の誇りであった。VWの醜聞を、ドイツ人は自分自身の醜聞と感じている。

 だから私の勘では、ドイツ人はこの危機を抜け出すため、ドイツの成功を妬んでドイツを陥れようとする国(←アメリカ)や、ドイツの不幸を利用する姑息な国(←日本)といった敵を見出し、久々に一致団結するような気がする。

 ドイツの雇用の7分の1は、自動車とその関連産業で支えられている。23日、ヴィンターコーン社長は早くも辞任。この事件が、これからまだまだ深刻な問題に発展していくことは間違いない。

 著者: 川口マーン惠美
『ドイツの脱原発がよくわかる本』
(草思社、税込み1,512円)
まさに悪戦苦闘。それでも脱原発へと進むドイツ。しかし、日本には、それを真似てはいけない理由がある。在独30年の著者が、日本人に知ってもらいたい真実を伝える、最新レポート。
川口マーン惠美

米国「台湾の民主主義を尊重」 習近平氏との会談前に強調

9月23日(水)13時51分 中央社フォーカス台湾



元に戻す

Viewing all articles
Browse latest Browse all 5523

Trending Articles