面白いですね、米国の研究でで貧困が学力低下の原因であることが判明したというのです。
じゃあどうして親が貧困なのかというと今度は親の低学力が問題であったというのですから
深刻です。 要するに親の貧困→低学力児童→貧困で負のスパイラルが起きており自力での脱出
は至難と言う次第です。 ではどうすれば良いのかという話に進みそうですがやはり何事も本当で
あるかどうかの検証が必要です。
本当に低学力は貧困が原因で、貧困が本当に低学力を生み出しているのでしょうか?
私は違うと思います。確かに表層的には世界各地で貧困が発生し大量の生活困窮者が起き
その人々の多くが結果的にいままで生活していた場所で生活ができなくなり、必然的にその地で
難民となってより豊かな経済的に繁栄する町や国に移住を強制されています。そして、その新しい
生活の場や貧困に転落した祖国で就職や結婚や生活に困窮して育児や教育どころではない現実
が有ります。そして貧しい人々と豊かな人々の間の所得格差は教育格差となってが拡大し、富める
ものはますます富、学力の高い師弟が育ち、さらに高度な学力を獲得して高収入となり、将来の
可能性はバラ色かもわかりません。
そうして反対に貧しいものはますます貧しくなって子供の教育も資質も体力も貧弱になり、有るものは
犯罪に手を染めまた危険で安い職業に就き収入も食料も健康も住居も家族たちの多くが劣悪で
将来どころか今日の生活もおぼつかないという現実が世界大に拡大しているので事は深刻です。
しかしです。 なぜ貧困が発生したかという点に目を向けるとお金持ちたちによって構成される
巨大な組織や富める国家の横暴な搾取の構造が見えてきます。
アラブ難民の貧困やアフリカ難民の深刻な飢餓の背景に、欧米列強の植民地主義による様々
な暴利に起因した西洋的独立国という広大なサバンナの分割が遊牧を不可能にして失業を生み出し
巨大な石油メジャーによる油井に注水される膨大な量の海水が農耕や牧畜を壊滅させ、さらに
巨大食物メジャーによる農地の搾取が素朴な農耕民の農地を収奪している現実に慄然とします。
また、日本などの工業国においても大企業による中小企業搾取や労働者の権利剥奪は
とどまるところを知らずに拡大し、巨大ショッピングモールの出店規制の事実上の廃止によって
地場産業に立脚した地域流通システムはグローバルな巨大流通業による海外仕入れの粗悪品に
よる価格破壊によって足元から瓦解し古い商店街も軒並みにシャッター通り化し、それらに商品
を供給していた町の工場は倒産し零細農家は廃業してそこから都市に大量の失業者を供給して
正規雇用ではなく身分保証のない低賃金アルバイトや派遣労働者としての安い労働力の供給源
としているのです。
このような、大企業や欧米列強の植民地主義とその結果の傀儡民族主義国家の乱立ですっかり
生活基盤を喪失させられてしまっているのが本当の貧困の原因なのです。
ということで本当の貧困の原因は、決して貧困に有るのではなく富めるものがより多くの富を
得るために素朴で平和的な人々を食い物にしている悪意が結果的に貧困を生み出しその貧困が
負のスパイラルとなって世界中で拡大していると言うことなのです。
以下は貧困の原因を教育の問題にすり替えて本当の巨大な悪の存在を隠蔽する悪辣な
西洋資本主義を正義と吹聴して貧困問題を教育レベルの問題にすり替えている悪質なあまたの
ネットニュースです。
脳と学力と貧困の悪循環
ウォール・ストリート・ジャーナル 5月15日(金)9時52分配信
国勢調査によると、米国の5分の1ないしそれ以上の子どもは貧困の中で生活しており、状況は2000年以降、悪化の一途をたどっている。それと同時に、教育研究家のショーン・リアドン氏が指摘しているように、「収入による成績の格差」は広がっている。つまり、低所得世帯の子どもの学校での成績は、高所得世帯の子どものそれをかなり下回っているということだ。
教育の所得水準に及ぼす影響が、かつてないほど大きくなっている中で、貧困の循環に陥る子どもが増えている。この循環がいかに機能しているのかを理解し、それを終わらせようとするプロジェクトほど重要なものは思いつかない。
神経科学はこのプロジェクトに貢献できる。マサチューセッツ工科大学(MIT)のジョン・ガブリエリ氏率いるチームは、「心理科学」に掲載された新たな論文で、イメージング技術を使い、14歳の公立学校の生徒58人の脳を計測した。被験者のうち23人は給食費が免除ないし減額されている子で、残りの35人は中間層の世帯の子だった。
チームはこの2つのグループの間に脳の違いがあることを発見した。チームは脳のさまざまな場所で、脳の表面を覆っている皮質の厚さを計測した。低所得の世帯の子供の皮質は、高所得の世帯の子供よりも薄かった。
低所得の世帯には民族・人種のマイノリティがより多く含まれていたが、統計の分析から、民族や人種の違いは脳の皮質の厚さと関係ないことが分かっている。また、皮質の薄い子どもは、皮質の厚い子どもより成績が悪い傾向にあった。これは高所得世帯の子でも、低所得世帯の子でも変わらなかった。
もちろん、脳に差があることの発見から分かることはそれほど多くない。本質的に、子どもの脳に関することはそれぞれの子どもによって違うはずだ。なぜなら、彼らのテストの際の行動もさまざまだからだ。しかし、発見したこの脳の違いからは、少なくともいくつかのことが浮かび上がってくる。
脳は地球上で最も複雑なシステムであり、脳の発達には、遺伝子と物理的・社会的・知的環境との間の複雑なやりとりが関わっている。脳には、われわれがまだ知らないこともたくさんある。
しかし、われわれは脳に神経科学者が言う「可塑性」があることを知っている。進化の過程で、脳は外部世界によって変化するようになったのだ。脳を持つ意味はここにある。この形成過程でとりわけ重要な役割を果たしているのが2つの補完プロセスだ。1つは神経科学者が「プロリフェレーション(増殖)」と呼ぶプロセスで、脳の神経細胞間に多くの新たな結合が作られることを意味する。もう1つは「プルーニング(刈り込み)」と言うプロセスで、一部の既存の結合が強くなる一方で、一部が消滅することを意味する。体験はこのプロリフェレーションとプルーニングの両方に大きな影響を及ぼす。
発達の初期段階では、プロリフェレーションが勝っている。小さな子どもは成人よりずっと多い、新たな結合を作る。発達の後期の段階になると、プルーニングが重要になってくる。人間は、柔軟性があり記憶力の良い若い脳から、より効果的、効率的かつ硬直的な大人の脳にシフトする。皮質の厚さの変化は、この発達によるシフトを反映しているように思われる。皮質は小児期に徐々に厚くなるが、青年期には逆に、薄くなっていく。おそらくプルーニングの結果だろう。
この研究に参加した低所得世帯の14歳の子が小児期に皮質を厚くできなかったのか、それとも、彼らの皮質が青年期に、より迅速に薄くなったのかは分からない。
低所得世帯と高所得世帯の間には、収入以外にも多くの体験上の違いがある。栄養、ストレス、学習の機会、家族構造など多くのことが違っている。これらの違いのうちどれが皮質の厚さの差につながっているのかはわれわれには分からない。
ただし、動物の研究からいくつかのヒントを得られる。豊かな環境(探索するものが多くあり、学ぶ機会も豊富な環境)で育てられたラットはより多くの神経的な結合を作る。ストレスにさらされたラットが作る結合は少ない。ストレスが動物の成長を過度に早めることを示す証拠もいくつか存在する。この場合、悪影響が生じることが多い。また、栄養状態は全ての動物の脳の発達に影響する。
だが、重要なのは、ありがたいことに脳の可塑性は失われないということだ。脳は生涯を通じて変化を受けることが可能であり、われわれが学び、変化する力が完全に失われることはない。ただし、それと同じくらい重要な点は、小児期は最も可能性に満ちた時期であり、最もリスクの大きな時期でもあることだ。われわれは毎日、何百万人もの米国の子どもの脳の可能性を失っていると言える。
教育の所得水準に及ぼす影響が、かつてないほど大きくなっている中で、貧困の循環に陥る子どもが増えている。この循環がいかに機能しているのかを理解し、それを終わらせようとするプロジェクトほど重要なものは思いつかない。
神経科学はこのプロジェクトに貢献できる。マサチューセッツ工科大学(MIT)のジョン・ガブリエリ氏率いるチームは、「心理科学」に掲載された新たな論文で、イメージング技術を使い、14歳の公立学校の生徒58人の脳を計測した。被験者のうち23人は給食費が免除ないし減額されている子で、残りの35人は中間層の世帯の子だった。
チームはこの2つのグループの間に脳の違いがあることを発見した。チームは脳のさまざまな場所で、脳の表面を覆っている皮質の厚さを計測した。低所得の世帯の子供の皮質は、高所得の世帯の子供よりも薄かった。
低所得の世帯には民族・人種のマイノリティがより多く含まれていたが、統計の分析から、民族や人種の違いは脳の皮質の厚さと関係ないことが分かっている。また、皮質の薄い子どもは、皮質の厚い子どもより成績が悪い傾向にあった。これは高所得世帯の子でも、低所得世帯の子でも変わらなかった。
もちろん、脳に差があることの発見から分かることはそれほど多くない。本質的に、子どもの脳に関することはそれぞれの子どもによって違うはずだ。なぜなら、彼らのテストの際の行動もさまざまだからだ。しかし、発見したこの脳の違いからは、少なくともいくつかのことが浮かび上がってくる。
脳は地球上で最も複雑なシステムであり、脳の発達には、遺伝子と物理的・社会的・知的環境との間の複雑なやりとりが関わっている。脳には、われわれがまだ知らないこともたくさんある。
しかし、われわれは脳に神経科学者が言う「可塑性」があることを知っている。進化の過程で、脳は外部世界によって変化するようになったのだ。脳を持つ意味はここにある。この形成過程でとりわけ重要な役割を果たしているのが2つの補完プロセスだ。1つは神経科学者が「プロリフェレーション(増殖)」と呼ぶプロセスで、脳の神経細胞間に多くの新たな結合が作られることを意味する。もう1つは「プルーニング(刈り込み)」と言うプロセスで、一部の既存の結合が強くなる一方で、一部が消滅することを意味する。体験はこのプロリフェレーションとプルーニングの両方に大きな影響を及ぼす。
発達の初期段階では、プロリフェレーションが勝っている。小さな子どもは成人よりずっと多い、新たな結合を作る。発達の後期の段階になると、プルーニングが重要になってくる。人間は、柔軟性があり記憶力の良い若い脳から、より効果的、効率的かつ硬直的な大人の脳にシフトする。皮質の厚さの変化は、この発達によるシフトを反映しているように思われる。皮質は小児期に徐々に厚くなるが、青年期には逆に、薄くなっていく。おそらくプルーニングの結果だろう。
この研究に参加した低所得世帯の14歳の子が小児期に皮質を厚くできなかったのか、それとも、彼らの皮質が青年期に、より迅速に薄くなったのかは分からない。
低所得世帯と高所得世帯の間には、収入以外にも多くの体験上の違いがある。栄養、ストレス、学習の機会、家族構造など多くのことが違っている。これらの違いのうちどれが皮質の厚さの差につながっているのかはわれわれには分からない。
ただし、動物の研究からいくつかのヒントを得られる。豊かな環境(探索するものが多くあり、学ぶ機会も豊富な環境)で育てられたラットはより多くの神経的な結合を作る。ストレスにさらされたラットが作る結合は少ない。ストレスが動物の成長を過度に早めることを示す証拠もいくつか存在する。この場合、悪影響が生じることが多い。また、栄養状態は全ての動物の脳の発達に影響する。
だが、重要なのは、ありがたいことに脳の可塑性は失われないということだ。脳は生涯を通じて変化を受けることが可能であり、われわれが学び、変化する力が完全に失われることはない。ただし、それと同じくらい重要な点は、小児期は最も可能性に満ちた時期であり、最もリスクの大きな時期でもあることだ。われわれは毎日、何百万人もの米国の子どもの脳の可能性を失っていると言える。
By Alison Gopnik
子供の学力と貧困の関係 日本は
- データで見る子どもの貧困と格差
- 3keys
- 時論公論 「子どもの貧困をなくすために」
- NHK 解説委員室(2014年8月30日)
脳の可塑性とは
- 鍛えれば機能は高まる
- 日経サイエンス
- ポテトチップスから第三のビールまで租税回避商品を増やしかねない軽減税率議論[写真]ダイヤモンド・オンライン 2015年5月14日 8時0分
- 財政学講義イントロダクション(小さな政府と大きな政府)上村敏之 2015年5月14日 6時35分
- 12日に審議入りする労働者派遣法改正案について取材しました。[動画]フジテレビ系(FNN) 2015年5月12日 1時36分
- ビリギャル、原作は100万部突破しミリオンセラーに[写真]秋元祥治 2015年5月11日 12時35分
- 低所得者向け貸付金、回収2割満たず 滋賀県社協、提訴も検討[写真]京都新聞 2015年5月11日 8時40分